MDB有望市場予測レポート
「MRAM」を公開

株式会社日本能率協会総合研究所 マーケティング・データ・バンクは、MDB Digital Searchの「MDB有望市場予測レポート」シリーズにて、
MRAMを調査し、市場規模を推計しました。


■MRAM市場概況


  • 2027年のMRAMの世界市場規模は2,350億円となる見込み。
  • MRAMは半導体メモリーの一種で、磁気を利用してデータを記憶する「磁気抵抗メモリー」である
  • 電気を供給しなくても記憶を保持する、高速性、書き換え耐性、耐環境特性などの強みを有する
  • MRAMの大容量化、低価格化の進行に伴い用途が広がることによって市場は拡大が見込まれる

MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)は半導体メモリーの一種で、磁気を利用してデータを記憶することから「磁気抵抗メモリー」とも呼ばれます。MRAMは電気を供給しなくても記憶を保持する不揮発性メモリーであり、電力消費が低いという特徴があります。揮発性半導体メモリーであるDRAMに匹敵する高速性や書き換え耐性を有しています。MRAMはメモリー単体だけでなく、マイコンやCPU(中央演算装置)に組み込むこともでき、埋め込み型MRAMは「eMRAM」と呼ばれます。

MRAMは2000年代には製品化されていましたが、DRAMやNAND型フラッシュメモリー等の他のメモリーに比べ、記憶容量や価格面で劣るという弱点がありました。その後、小型化、高密度化を可能とした第2世代のMRAMが開発され、2020年には256MBタイプが、2021年には1GBタイプが量産されるようになるなどMRAMの大容量化が進んでいます。eMRAMについても、2019年には1GBクラスの量産が開始されました。MRAMの弱点であった記憶容量が改善したことで、2019年から2020年にかけて市場が本格的に形成されました。現在は第2世代よりも大容量・高密度化を可能とした第3世代のMRAMが既に量産段階に入っており、MRAMの大容量化の実現によってDRAM等の他のメモリーからのシフトが進んでいくことが見込まれます。

MRAMは大規模企業向けサーバー、次いで産業機器での利用が多く、最近ではスマートウォッチなどのウェアラブル機器用途で中国メーカーによる採用が進んでいます。今後は、MRAMの有する高速性、超低消費電力、耐環境特性などの性質を強みに、高速処理が必要な通信分野、自動運転などのモビリティ分野、航空宇宙・防衛分野、AI関連などの用途での採用が高まると見込まれます。参入企業数が増加していること、各社が生産規模を拡大していることで、MRAM は価格低下が進んでおり、今後さらに価格低下、大容量化が進展した場合にはスマートホンやコンシューマーエレクトロニクス分野での採用も予想されます。こうした用途の広がりによってMRAMの市場は拡大が見込まれます。

本調査では、世界におけるMRAMの出荷金額を推計しました。

本調査結果の詳細は、JMAR が提供するリサーチプラットフォーム MDB Digital Searchに同レポートを収録し、ご提供しております。

 MDB有望市場予測レポートシリーズは、今後、成長が期待できる有望・注目製品/サービス/市場について、MDBが独自取材を実施し、取りまとめたオリジナルレポートになります。MDB有望市場予測レポートの概要はこちらをご覧ください。MDB Digital Searchをご利用いただくとすべての有望市場予測レポートがご覧いただけます。

<レポートの構成(計6ページ)>

1. 調査対象市場定義

2. 主要参入企業一覧

3. 市場規模・予測

4. 価格動向

5. マーケットシェア

6. 主要参入企業動向

7. 業界構造・ビジネスモデル

8. ユーザー動向
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