■パレットレンタルサービス市場概況
パレットレンタルサービスは、物流現場で使用されるパレットを貸し出すサービスです。パレットは保管や運搬時に荷物を載せる荷役台を指し、パレット上に複数の荷物をまとめてユニット化することで、荷役、保管、輸送の効率化を図ることができます。パレットレンタルサービスには、納品後に発荷主自身がパレットを回収し貸出先に返却する「一般レンタル方式」と、発荷主がパレットを借り、着荷主に納入したパレットをパレットレンタルサービス事業者が回収する「共同回収方式」があります。
発荷主がパレットを購入してパレット輸送する場合、通常使用枚数の約3~5倍のパレットを保有しておく必要があり、購入費用や保管費用などのコストが増大します。パレットをレンタルする場合、自社でパレットを保有するよりも低コストで運用ができ、繁忙期など必要な時期に必要なだけレンタルすることもできます。共同回収方式では、空パレットを返却したり管理したりする必要がなくなるため、紛失リスクや返却の負担が軽減されます。
効率的な輸送を行うためには、発送から荷下ろしまで商品を同じパレットに積んだまま輸送する「一貫パレチゼーション」を普及させる必要があり、政府もこれを推進しています。共同回収方式のレンタルサービスは、発荷主や着荷主にかかるパレットの運用負担を軽減できるため、一貫パレチゼーションの実現を容易にするサービスとして期待されています。
パレットレンタルサービスは、2024年4月からトラックドライバーの年間時間外労働時間の上限を960時間とする、いわゆる「物流2024年問題」の解決手段の一つとして注目を集めています。バラ積みをパレット化することで、積み込み・荷下ろしの手荷役作業をフォークリフト等の物流機器での作業に置き換えることが可能となり、荷役時間の短縮やトラックドライバーの身体的な負荷軽減につながります。
パレットレンタルサービスの普及には発荷主や着荷主の理解と協力が必要であるため、物流2024年問題解決に向け荷主の物流効率化に対する行動変容が進むにつれて市場が拡大すると見込まれます。また輸送の効率化はCO2削減という点も評価され、市場規模は2028年度には680億円にまで拡大すると予測します。
本調査では、国内におけるパレットレンタルサービス事業者のパレットレンタル関連売上高を対象に市場規模を算出しました。
本調査結果の詳細は、JMAR が提供するリサーチプラットフォーム MDB Digital Searchに同レポートを収録し、ご提供しております。
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