■警備ロボット市場概況
警備ロボットは事故や物品の破壊、盗難等のトラブルに備え、施設の警備に利用されるロボットです。マイクやカメラ、赤外線センサー、超音波センサー、LiDAR等の様々なセンサーを搭載し、不審な人・物の検知、異常音の検知、ガスや火災の検知などが可能です。警告を発する、カラーボールを投げる、危険物の処理といった機能や、タッチパネルや音声による受付・施設案内機能を持つものもあります。
警備ロボットは24時間365日の稼働が可能で、暗視カメラやサーモセンサー、ガスセンサー等により人間による警備では検知できないものも検知できる、危険な場所や過酷な場所での警備ができる、監視カメラの死角も確認できる等の利点があり有効活用が期待されています。一方で、状況に応じた臨機応変な判断が難しい、不審者の確保まではできない等の課題もあるため、現状では警備員の業務のすべてを代替するのではなく、一部の業務を警備ロボットが担い警備員と協働する形での運用が中心となっています。
従来は警備ロボットが撮影した映像を警備員が常時監視する必要がありましたが、近年の機種ではAIや画像処理技術の活用によりロボットのみで対応できる業務が増加しています。課題であったフロア間の移動についてもロボットとエレベーターとのシステム連携などによりロボットのみで複数フロアを移動できるようにするなど、ロボットが動作しやすい環境を構築する取り組みが進められています。
現状での導入実績は実証実験レベルのものが多く、資本力がある企業での導入が中心となっていますが、少数のロボットで試験運用を行い、効果が認められれば追加での導入が見込まれるほか、導入実績が増えることでこれまで様子見としていた企業への導入も進んでいくとみられます。警備業界では人手不足の状況が続いており、今後さらに深刻化することが懸念されています。人手不足の対応のため警備ロボットに対するニーズが高まっていることや警備ロボットの性能向上、施設側のロボット対応の進展等により、警備ロボット市場は拡大が見込まれます。
本調査では、国内の警備ロボットの製品販売額、レンタル費用、オプション費用、サービス提供金額を対象に市場規模を算出しました。
本調査結果の詳細は、JMAR が提供するリサーチプラットフォーム MDB Digital Searchに同レポートを収録し、ご提供しております。
MDB有望市場予測レポートシリーズは、今後、成長が期待できる有望・注目製品/サービス/市場について、MDBが独自取材を実施し、取りまとめたオリジナルレポートになります。MDB有望市場予測レポートの概要はこちらをご覧ください。MDB Digital Searchをご利用いただくとすべての有望市場予測レポートがご覧いただけます。