■画像診断支援AI市場概況
画像診断支援AIとは、臨床現場において医師が様々な画像撮影装置を用いて画像診断を行う際に、AI技術を用いて参考となる情報を提供するソフトウェアやシステムです。疾病の診断・治療を目的としたソフトウェアは、医療機器として医薬品医療機器等法(薬機法)の対象となっているため、画像診断支援 AI も製造承認を受ける必要があります。
日本国内の画像診断支援AI市場は、2018年にエルピクセルが頭部MRI用の製品、2019年にオリンパスが大腸内視鏡検査用製品の製造承認を取得し、2019年から発売が開始されたことで市場が立ち上がりました。
医療現場では、病気の診断に医用画像を活用するケースが増加する一方で専門医が不足しており、医師の負担軽減や、非熟練医による診断精度の向上のために、画像診断支援AIのニーズが高まっています。また、2024年度からの医師の時間外労働規制も普及を後押ししています。
現在、胸部X線やCT画像、脳のMRI画像などAIを適用できる部位や疾患が増加しており、近年では新型コロナウイルスによる肺炎の診断を支援する製品が相次いで発売されました。骨粗鬆症の判定や、認知症、うつ病の判定にAIを活用する研究開発も行われており、将来的な実用化が期待されます。
2024年度の診療報酬改定により、大腸の病変検出支援プログラムが技術料加算の対象となり、オリンパスの画像診断支援AI製品が診療報酬の加算対象となりました。今後も診療報酬加算の対象がさらに広がることが期待されており、導入先の医療機関の増加とともに、画像診断支援AIの市場は拡大していくと予測されます。
本調査では、国内における画像診断支援AIの初期導入費用、バージョンアップ費用、サービスの利用料金を対象に市場規模を算出しました。
本調査結果の詳細は、JMAR が提供するリサーチプラットフォーム MDB Digital Searchに同レポートを収録し、ご提供しております。
MDB有望市場予測レポートシリーズは、今後、成長が期待できる有望・注目製品/サービス/市場について、MDBが独自取材を実施し、取りまとめたオリジナルレポートになります。MDB有望市場予測レポートの概要はこちらをご覧ください。MDB Digital Searchをご利用いただくとすべての有望市場予測レポートがご覧いただけます。