新規事業創出に向けた市場性調査でMDBを活用
自動車領域にとどまらない、新たな事業領域での製品展開の挑戦

株式会社エクセディ
戦略事業本部 イノベーション創出部 小林 崇寛
戦略事業本部 インキュベーション推進部 
ダンガル イシュワリ

株式会社エクセディでは、新たな成長機会の創出に向けて、新規事業創出を加速しています。多業界にまたがる探索と、経営判断を支える市場性評価を両立するために、MDBの情報資産と調査支援を活用。市場の解像度を上げ、意思決定の根拠を揃えるプロセスについて伺いました。

 

 

戦略事業本部の新設で、新規事業を加速する体制へ

——御社の事業概要と、ご所属、ならびにミッションについて教えてください。

小林:
当社の戦略事業本部イノベーション創出部に所属しています。戦略事業本部では、M&Aを検討している部門などありますが、我々は新規事業で新しい種を作っていくことをミッションとして持っています。今持っている技術の比較的近いところから、ちょっと遠いところで自動車以外の領域も探索しています。エネルギー領域などがその一つの例ですかね。
自社単独ではなく、協業できるパートナー、有望な技術を所有されているスタートアップや中小企業と一緒に手を組んで、新規事業を考えています。自社で進めようとすると自社でできることの範疇でとどまってしまうので。

ダンガル:
私も同じく戦略事業本部で、その中のインキュベーション推進部に所属しています。インキュベーション推進部の方では、AIを軸として、当社で新たな事業が生み出せないか、日々企画を検討しています。

小林:
MDBに入会したのは2020年頃だったと思います。そのころが当社の新規事業黎明期でした。アイデアコンテストでどんな自由な発想でもいいので、いろんな新規事業を生み出していこうという機運が高まりました。数多くのアイデアを出していく中で、本当にそれがニーズのあるものなのか、今後大きな規模になっていくのか。アイデアだけ見てもイメージが湧かないので、当初はなかなか悩ましいところもありました。

その後、さまざまな新規事業の企画、検討をして、経験を積んできています。着実に新規事業に関する知見が貯まってきていますし、検討のフェーズも進んできている状態かなと思います。

そして、現在の戦略事業本部が立ち上がったのが2025年でした。もともと、新規事業に携わる部門・チームが社内に点在していましたが、できるだけ新事業に関わる人たちだけを集めた本部をつくり、集中した体制を推進していこう、というのが部署新設の経緯です。

(左から)戦略事業本部 イノベーション創出部 小林 崇寛様    インキュベーション推進部 ダンガル イシュワリ様

成長ポテンシャルを見定め、スケールのある市場へ挑む

——御社が新規事業に注力している背景を教えてください。

小林:
新規事業に取り組むことになった理由ですが、EV・電動化が大きいと思います。SDGsや脱炭素の動き、海外での規制強化などにより、EV市場の成長予測が一気に上振れしました。そのタイミングで、このまま既存領域に依存し続けるのはリスクが高いという危機感が強まったと思います。

ダンガル:
最近は電動化の進展が一時的に鈍化している側面もあります。ただ、潮流そのものが止まることはないと捉えています。当社としては中長期を見据え、対応を着実に進めていく必要があります。その前提のもとで、将来の事業機会を取り込み続けるために、新しい製品を継続的に開発していくことが私たちのミッションです。

小林:
当社の中長期目標では、2030年に売上高3,300億円、そのうちの新製品比率が30%という目標を掲げています。新製品開発で1,000億円に近い規模を目指すということになりますと、小さいアイデアの製品をコツコツ作っていく、というだけではどうしても限界があります。年間で数千万台規模の出荷が見込めるようなスケールの製品を前提に、相応の投資を行っていくことが求められます。

市場理解を深めるフェーズと、
経営判断の場面で欠かせないマーケット情報

——調査が必要になるタイミングはどのようなときでしょうか。

ダンガル:
大きくは2つですね。ひとつは市場の解像度を上げたいとき、もうひとつは経営層に報告し、意思決定につなげるときです。

——市場の解像度を上げるのは、実際どういうタイミングなのでしょうか。

ダンガル:
新規事業の初期段階ですね。このフェーズでは、市場の全体像がつかみ切れていない場合が多いです。そもそもどのような市場なのか、解像度を上げていく作業が必要です。市場規模が数億円なのか、数兆円なのか。ニッチなのか、伸びしろのある領域なのか。どんなプレイヤーがいて、競争環境はどうなっているのか。飽和しているのか、プロダクトライフサイクルのどのあたりにあるのか。自動車業界は分かるところが多いのですが、他の業界となると調べる必要が出てきます。

今は生成AIがあるので、調べやすい環境にはあるとは思います。ただ情報の信頼性については、ちゃんと精査しなければいけません。
 戦略事業本部 インキュベーション推進部 ダンガル イシュワリ様
小林:
ネットの記事でも「富士経済調べで市場10兆円」といった見出しはよく見かけますよね。ただ、その内訳が知りたいとなると話は別で。レポート内に記載された製品や部品レベルの動向を見ようとするとレポートを買う必要がありますが、価格として数十万円ということもあります。アイデアが固まっていない初期段階だと購入しづらいです。

ダンガル:
そうなんです。信頼できる情報をしっかり読み込んで、妥当性を判断したいので、やはり調査レポートは読み込んでおきたいところです。なので、その段階でライブラリに行って調査レポートを読めるのはMDBのありがたいところですね。

あと、新規事業の検討ではもう一つハードルがありまして。扱っている範囲の広さですね。1つの業界だけなら社内ライブラリや書籍購入で対応できますが、新規事業の初期段階では多くの業界を横断して見なければいけません。あらゆる産業・業界のレポートを買うのは現実的ではないですから、MDBで調査レポートや新聞、業界ごとの専門誌などを網羅的に当たって、我々のターゲットとする市場を見極めています。

——経営層への報告では、どのような情報が求められるのでしょうか

ダンガル:
経営層への報告ですが、事業性を判断してもらう必要があるので、正確で、信頼できるデータが求められます。本当にその市場が伸びていくのか、そこは厳しく問われます。
MDBで実施したデスクリサーチの情報を使いますし、インタビューやヒアリング、フィージビリティスタディももちろん実施します。

小林:
MDBのデスクリサーチですが、セカンドオピニオンみたいな使い方もありますね。業界の関係者にヒアリングを行いますが、その方の発言がどういうポジションからのものになるのか、市場全体を把握してから聞くようにしています。
木と林と森の比喩がありますが、その意味で言うとMDBは森、全体像を俯瞰するためのツールというイメージです。

ダンガル:
もちろん調べた情報を全て企画書に盛り込むわけではありません。活用するのは10%程度で、あとは載せてないですね。自分でストーリーを考えて戦略を提示する必要はありますが、経営層も何百枚も見るわけにはいかないので、必要な情報だけ企画書に書いて、残りはいつでも自信を持って説明できるように、情報を把握しておく、という使い方です。

小林:
確かに、代表的な数値を押さえておきつつ、その背景や前提を自分で掴んでおく。レポートやデータは、自信を持って数字を語るためのもの、という位置づけかもしれません。

ダンガル:
そうですね。例えば私だと、去年やその前を比べて今の環境がどうなのか、と聞かれたときのために、バックナンバーを読むということをやっています。過去と現在の情報をしっかり把握したうえでないと、自信を持って仮説を言えないんですよね。

戦略事業本部 イノベーション創出部 小林 崇寛様

わからないことがあれば「まずMDB」
MDB Digital Searchでキーワードを検索

——では実際に調査をする際、どのようにMDBを活用されていますか?

ダンガル:
まずは、MDB Digital Searchでキーワードを検索しています。どういったレポートや書籍があるのかを一通り探します。MDBコンテンツなど、ダウンロードできるレポートは落とします。そうやってリストアップできた資料を予約する、という流れです。

私は、MDB Digital Searchでまず検索していますが、情報コンサルタントの方に調査依頼をするときもあります。時間が厳しい時が多いかもしれないです(笑)。複数案件を並行して進める中で、自分たちで対応している案件を進めつつ、調査未着手のものであったり、自分たちで調べても全然わからなかったりするものなど、他の案件をMDBの情報コンサルタントの方に依頼する。そうすることで、同時並行で仕事を進められるので、効率が上がっています。
付箋で示された箇所を参照し、要点を効率的に確認
資料の予約が完了したあと、ライブラリに行きます。ライブラリの受付では該当ページに付箋が貼ってある状態で資料を渡してくれるんですよね。自分が見たいところをすぐ読めるようになっているので助かっています。

小林:
買ったレポートは漫然と読んでしまうところもあって。意外と時間が制限された中で、目的を持って読んだ方が、理解が進むところがあります。

私たちのチームでは、まずWebで拾える市場の情報を見たうえで、仮説を考える。何を課題として、どのような解決を狙えば良いのか。仮説を構築していく中で、それでも埋まらない論点を拾いにいく。調査レポートや業界の専門誌などはそのような場面で活用しています。

——御社はよくMDBを使っていただいている印象があります。

小林:
チームメンバーがかなり頻繁に使っていますね。調査が必要になったら、「まずMDBに行ってきます」が第一声になっている、という感覚です。
会社の理解があることが大きいかもしれませんね。

ダンガル:
確かに、MDBのライブラリに足を運ぶこと自体のハードルはほとんどありません。調査の重要性やMDB活用の意義について、社内に十分な理解があると感じています。

変化する市場に先手を打ち、世界へ広がる新事業を描く

——エクセディが目指す、今後の姿について教えてください。

小林:
当社は技術力があるのはもちろんですが、私が特に強みだと感じているのは、会社の文化・風土です。

経営層の強い危機感が、現場にも明確に伝わってきます。スタートアップへの出資やM&Aといった投資を着実に進めています。また、シリコンバレーに拠点を構えたり、現地のVCに出資したりといった取り組みも、経営層自らが旗を振って実行している。事業環境が変わり得ることを前提に、先手で動こうとする姿勢がはっきりしています。

新規事業に対して、ここまで一貫したコミットメントと、実行力を示している点は、当社の大きな特徴だと感じています。

ダンガル:
社員一人一人が事業を提案しやすい風土もあると思います。アイデアが採用されるかどうかは別としても、まずは意見や企画を出しやすく、受け止めてもらえる雰囲気があるのは大きいですね。

もう一つの強みは、海外拠点の多さです。人材だけでなく、情報やモノを含めたリソースを各国に展開できるネットワークが整っています。新しいビジネスを広げる際も、「どの国を起点にするか」、「どこを出口として描くか」といった、既存の拠点を活用した事業の検討ができるのは大きな武器だと感じています。

小林:
当社は1950年に前身となる企業が設立され、以来、一貫してものづくりを通じて日本の産業を支えてきました。だからこそ私自身も、日本のものづくりの力で世界と戦っていきたいと常々思っています。新規事業についても同じ考え方で、日本の技術を軸に、さまざまなパートナーと協力しながら生み出していければ嬉しいですね。

(左から)戦略事業本部 インキュベーション推進部 ダンガル イシュワリ様      イノベーション創出部 小林 崇寛様    

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