海外市場調査におけるマーケティングリサーチのポイント
1.海外市場調査でよくある課題
海外市場に関する調査ニーズは、近年ますます高まっています。対象地域としては、欧米や中国、東南アジアやインド等に関するご相談が増えています。新規事業の検討、既存事業の拡大などを背景に、各国・地域の市場環境の把握が必要になっているためです。
海外の動向を日本語で確認できる場面もありますが、調査テーマが具体的になるほど、日本語で入手できる情報だけでは不足します。
また、国や地域によって、公開されている統計の粒度や信頼性、入手しやすさには差があります。
自社がすでに拠点を有している国であれば、現地スタッフやパートナーに話を聞くこともできます。しかし、新しい国への進出を検討する場合や、市場の全体感を把握したい場合には、現地関係者へのヒアリングだけでは十分ではありません。
個別の事例に加え、その国全体の市場規模、業界構造、競合環境、今後の成長性などを把握するには、より広い視点での情報収集が必要になります。
2.高額な海外調査レポートをどう見極めるか
海外市場調査で特に判断が難しいのが、調査レポートの選定です。海外の調査レポートでは、50万円、100万円、200万円といった価格帯の資料も珍しくありません。
さらに、海外の調査会社は日本では聞き慣れない会社も多くあります。古くから実績のある調査会社もあれば、近年新しく出てきた調査会社もあり、それぞれの専門領域や強み、調査手法が異なります。
海外市場調査では、単に調査レポートを集めるだけでなく、その情報が調査目的に合っているか、信頼できる内容か、費用に見合う価値があるかを見極めることが重要です。

3.海外市場調査と国内市場調査に共通する基本的な考え方
海外市場調査には難しい側面もありますが、マーケティングリサーチにおいて必要な情報を整理し、複数の情報源を確認していくという基本的な考え方は、国内市場の調査をするときと共通しています。
MDBでは、市場調査において確認すべき主な情報源として、以下の5つを重視しています。
官公庁
業界団体
調査会社
シンクタンク・金融機関
業界新聞・専門誌
海外市場調査においても、この5つの情報源を確認するという基本的な考え方は共通しています。
4.海外市場調査で確認したい主な情報源
調べる業界やテーマ、対象とする国によって確認すべき情報源は変わりますが、ここでは、代表的なものを紹介します。
官公庁・国際機関
市場全体の規模や動向を把握するためには、官公庁や国際機関の情報が重要です。
国内市場では日本の政府統計や白書を確認することが多いですが、海外市場では対象国の政府統計に加え、国連、FAO、IEA、WHOなどの国際機関が公表している統計やレポートを確認することも多いです。
業界団体
業界団体の資料も、海外市場調査では有効な情報源です。
例えば日本では、日本自動車工業会のような業界団体がありますが、海外にも同様に、米国自動車工業会(Alliance for Automotive Innovation)や、欧州自動車工業会(ACEA)といった業界団体が存在します。
業界団体に所属している企業一覧は、参入企業情報として使えます。また、レポートを公開している業界団体もあり、業界の構造やロードマップを把握するうえで役立ちます。
調査会社
海外市場調査では、調査会社のレポートも重要な情報源です。
代表的な調査会社としては、Euromonitor International、Frost & Sullivan、GlobalData、MarketsandMarkets、Technavioなどがあります。
これらのレポートでは、市場規模、成長予測、主要企業、競争環境、地域別動向などが整理されています。
一方で、調査会社によって得意分野や調査の粒度は異なります。調査目的に合った資料かどうかを確認したうえで活用することが重要です。
シンクタンク・金融機関
シンクタンクや金融機関が発行するレポートも、海外市場を把握するうえで参考になります。
国内市場では、みずほ、三井住友、野村総合研究所などの資料を確認することがあります。海外市場では、ゴールドマン・サックスをはじめとする海外の金融機関やシンクタンクのレポートも確認対象になります。
こうした資料では、マクロ経済、産業動向、投資環境、成長市場などについて分析されていることがあり、市場の将来性を検討する際に役立ちます。
業界新聞・専門誌
業界新聞や専門誌は、最新動向や企業の動きを把握するために有効です。
海外市場では、Bloomberg、The Economistなどのメディアに加え、各業界に特化した専門媒体を確認します。
統計や調査レポートでは把握しづらい、新製品、提携、投資、工場建設、規制対応などの情報を得られる点が、業界新聞・専門誌の強みです。

5.まずは日本語資料から調べ、不足分を英語や調査対象の言語で書かれた資料で補う
海外市場調査では、最初から英語や調査対象の言語の資料を調べなければならないと思われるかもしれません。しかし、まずは日本語で確認できる資料から調べることも有効です。
日本語で発行されている資料の中にも、世界市場や海外市場を対象にしたものがあります。例えば、世界のロボット関連市場を扱った資料や、汎用機、ゴルフカート、フォークリフトなど製品や部品の市場データ、特定国・地域の産業情報をまとめた資料など、日本語で海外市場の情報を確認できるものも多いです。
まず日本語資料で市場の概要や主要な論点を把握し、不足する部分については、海外データベースも活用しながら、英語資料や調査対象国の言語で書かれた資料・ニュースなどを確認していくことで、効率的に調査を進めることができます。
海外市場調査では、調べるべき情報源の考え方自体は国内市場調査と共通する部分がありますが、実際に確認すべき機関や組織、資料は対象国や業界に合わせて変えていく必要があります。

6.海外市場調査を効率的に進めるために
海外市場調査では、情報源に対する知識が、調査の精度や効率に大きく影響します。
官公庁、業界団体、調査会社、シンクタンク・金融機関、業界新聞・専門誌という基本的な考え方は国内市場調査と共通しています。一方で、海外市場では見るべき資料や調査機関、活用するデータベースが変わります。
海外調査レポートは高額なものも多く、調査会社ごとの専門性やレポートの内容を見極めることも必要です。こうした判断には、一定の専門知識が求められます。
そのため、海外市場調査を自社だけで進める場合、情報収集に時間がかかったり、どの資料を選ぶべきか迷ったりすることがあります。
7.MDBが提供する海外市場調査のサポート
MDBを活用した海外市場調査の進め方を、以下でご紹介します。
MDBでは、専門のリサーチャーとの相談を通して、調査目的に応じた情報源の選定や、海外データベースを活用した情報収集をサポートしています。
例えば、「東南アジアの自動車部品市場について調べたい」、「ベトナム市場の動向を知りたい」といった、まだテーマが大まかな段階のご相談にも対応しています。調査の目的・背景を整理した上で調査設計を行い、最適な資料、レポートをご提案します。
公開情報を活用したデスクリサーチに加え、ヒアリングやアンケートといった独自のカスタム調査も対応しています。資料には載っていない情報を調べたい場合や、特定テーマについて深掘りしたい場合には、カスタム調査をご検討ください。
みなさま自身で海外出張し情報収集を進められる場合もあるかと思います。現地で得られる一次情報は非常に希少なもので非常に重要です。一方で、多くのコストと時間が伴うため、限られた滞在期間だけで十分な情報を網羅するのは容易ではありません。プロのリサーチャーによる事前・事後調査を上手くご活用いただくことで、情報収集の効率と精度を最大化することが可能です。
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まとめ
難易度の高い海外市場調査ですが、調査目的を整理し、複数の情報源から市場を把握していくという基本的な考え方は、国内市場調査と共通する部分があります。官公庁、業界団体、調査会社、シンクタンク・金融機関、業界新聞・専門誌といった情報源を組み合わせ、市場を多面的に把握することが重要です。
一方で、海外市場調査では、確認すべき機関や資料が国内とは異なる点が難しいところです。普段なじみのない調査機関のレポートを購入検討する場面もあります。レポートは高額になることも多く、費用対効果を見極める難易度が高いです。海外の調査会社に調査を依頼した場合、調査報告書は英語の場合もあれば、ドイツ語など調査対象国の言語での調査となる場合もあります。
海外市場調査でお困りの方、マーケティングリサーチの進め方に不安がある方は、ぜひMDBにご相談ください。デスクリサーチや、カスタム調査などを通じて、調査目的に応じた情報収集をサポートいたします。
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