■家庭用蓄電池市場概況
・2023年度の国内の家庭用蓄電池市場は約1200億円
・家庭用蓄電池、主にリチウムイオン電池の二次電池本体と充電器やパワーコンディショナーなどを備えたシステム
・東日本大震災後の2012年に導入のための補助金制度が開始、販売台数が伸びる
・2019年に太陽光発電の余剰電力買取期間満了が始まることから、家庭用蓄電池の導入増加が見込まれる
家庭用蓄電池は二次電池を中心に構成される家庭用の蓄電システムで、戸建住宅や集合住宅の専有部分に設置することを想定して製品化されたもので、容量4~8kWh程度の製品が中心です。自然災害などの際に非常用電源として使用することができたり、料金の安い深夜電力を貯めて昼間に使用したりすることができ、太陽光発電システムとあわせて設置すれば、発電した電気を貯めおき、必要な時に自家消費するといった運用が可能になります。
家庭用蓄電池は、設置に数百万円の費用を要することから、これまで普及が進みませんでしたが、東日本大震災後の2012年、非常用電源の確保や電力不足の解消を目的に家庭用蓄電池の導入を支援する補助金制度が開始され、1住宅あたり上限100万円の補助金が出ることになったことを契機に、販売台数が大きく伸びました。しかし、同制度が2015年度をもって廃止され、蓄電池のみを対象とする補助制度がなくなったことから、2016年度には需要が急減しまし た。
その後、住宅用の太陽光発電の「2019年問題」を背景に2017年度になると販売台数が再び大きく伸びてきています。2019年問題とは、2009 年に開始した太陽光発電の余剰電力買取制度の買取期間10年間の満了が始まることを指しま す。買取価格が大幅に下がれば売電より自家消費のメリットが大きくなり、太陽光で発電した電気の自家消費を夜間にも行うためには蓄電が必要になります。このため太陽光発電システムのパワーコンディショナーの買い換えや新規の設置においてハイブリッド蓄電システムが提案され、市場の活性化につながっています。2019年度以降は、太陽光発電システムと組み合わせて蓄電池を導入するケースが増加すると期待されています。
本調査では、家庭用蓄電池の国内の市場規模を推計いたしました。本調査結果の詳細は、JMAR が提供するリサーチプラットフォーム MDB Digital Searchに同レポートを収録し、ご提供しております。
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