■フードデリバリーサービス市場概況
・2025年度のフードデリバリーサービス市場は4,100 億円となる見込み 。
・フードデリバリーサービス事業者は、 飲食店に宅配メニューの掲載、注文受付、配達などの機能を提供 。
・飲食店は容易に料理の宅配を開始でき、サービスサイト掲載の販促効果も見込める。
・EC利用の浸透、家事の時短ニーズの高まり、コロナ禍による巣ごもり需要を背景に利用者数が増加。
・サービス提供エリアの拡大、利用店舗数の増加により今後も市場拡大が見込まれる 。
飲食店が調理済みの料理を注文客へ配達提供するサービスに関して、インターネット上でメニューの掲載や注文受付、 配達などの機能を提供するサービスが「フードデリバリーサービス」です。飲食店から注文客への配達は、飲食店が自ら行うものや、フードデリバリーサービス事業者が配達拠点やバイク、配達員等のリソースを用意し代行するものがありま す。
飲食店の料理の宅配は、従来は飲食店が独自に行っており、ポスティングのチラシなどで販促し電話で注文を受ける形態が一般的でした。フードデリバリーサービスは、2000年に夢の街創造委員会(現・出前館)が「出前館」を開始したことで市場が立ち上がりました。フードデリバリーサービスは自前で注文受付システムや配達のための体制を整えるよりも容易に宅配サービスを開始できる点や、サービスサイトへの掲載による販促のコストパフォーマンスがチラシに比べ高いことなどが飲食店に支持されています。
飲食店の料理の宅配を依頼する消費者にとっては、一つのプラットフォームで複数の飲食店のメニューから選択・注文できることがメリットとなっています。インターネット利用者の増加、EC利用の浸透、家事の時短ニーズの高まりなどが追い風となり、利用者数は増加が続いています。個人の配達員を活用した配達が特徴の「UberEats」が2016年から日本でサービス展開を開始し、フードデリバリーサービスへの注目度が高まったことも市場拡大の要因となりました。
2020年には新型コロナウイルス感染症の流行を受け、外出自粛、飲食店の休業・営業時間短縮といった対応がとられたことで、外食の利用は大幅に減少しました。一方で、自宅で飲食店の料理を食べたいという中食ニーズは急増し、フ ードデリバリーサービスの利用者数は大きく増加しました。また、来店客の減少により厳しい経営環境に置かれた飲食店は収益確保のため宅配やテイクアウトを開始するといった対応を取り、大手外食チェーンも含め中食市場に参入する飲食店は増加、フードデリバリーサービスの利用店舗数も拡大しています。フードデリバリーサービス事業者は、配達員・配達拠点等の配達基盤を強化しサービス提供エリアの拡大に取り組むほか、プラットフォームの強化などによるユー ザー獲得に向けた取り組みも実施しています。サービス利用店舗数、利用者数の増加により、今後も市場規模の拡大が予想されます。
本レポートでは、国内におけるフードデリバリーサービスでの注文金額を対象に市場規模を推計いたしました。 本調査結果の詳細は、JMAR が提供するリサーチプラットフォーム MDB Digital Searchに同レポートを収録し、ご提供しております。
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