MDBコラム「ビジネスを成功に導くための視野/視点の拡げ方~若き論客に学ぶ、という発想 その1~」


<本コラムの紹介>
 ビジネスを成功に導くためには、「いかに視野や視点を拡げていけるか」が極めて重要である。といっても、それほど簡単な話ではないことは皆さまもご存じの通りである。そこで本コラムでは、その方法論について様々な考え方をお伝えしながら、紐解いていくことを目的としている。「他では読めない内容」となっているので、是非お楽しみいただきたい。



とある報告書から感じる時代感

皆様は以下の報告書を既にご覧になられたであろうか。

■総務省「未来をつかむTECH戦略~「静かなる有事」をチャンスと捉え、アグレッシブなICT導入により「変革の実行」へ~」中間とりまとめ(2018年4月)

 URL:http://www.soumu.go.jp/main_content/000548068.pdf

 2030年の事象を想起しながら、バックキャスト方式で我が国の改革プランを描いている注目の報告書である。総務省の将来を支える若きメンバーを中心に、スピード感を持って取りまとめられている(この時点では中間報告)。
 本プロジェクトが発足することを2016年12月のプレスリリースで知り、報告書の発行を楽しみにしていた。あえて若いメンバー数名に期待を託し、未来のこの国のビジョン、特にAI、ロボット、IoTといったいわゆるTECH分野で世の中がどう変わると見ているのか、その考えが見て取れる。その観察眼はなかなか興味深い。本報告書には未来小説も一緒に掲載されている。

 URL: http://www.soumu.go.jp/main_content/000548081.pdf

60ページ弱の短編小説であり、すぐに読めるので是非ご覧いただきたい。

「新時代家族」と題されたこの小説には、未来のキーワードが随所に散りばめられている。「多機能対話型学習AIロボット」「あとはAIさまにお任せ」「AIコック」といった具合に…。ここに書かれている未来は、今はまだ絵空事でも、本当にごく近い将来だんだん実現していき、未来ではごく当たり前の光景になっているのだろう。しかも今後10年程度で劇的にきっと変わっていく。たったの10年である。


変化と不安と期待

ラジオの登場、電話の登場、テレビの登場、パソコンの登場、インターネットの登場、スマホ・タブレットの登場、そしてロボット、AI…時代の節目節目には文明の利器そしてテクノロジーが世の中を大きく変化させてきた。不安と期待の入り混じる「AIが生み出す社会」…、皆様はどのような未来を思い浮かべているのだろう。日本企業では、空前の「未来」セクション新設ブームの真っ只中。他社との競争において勝ち抜くために、未来ビジョンを描く専門チームを設立し、自社の未来を展望していく。時代の変化を考える上では、今後もこの流れは継続していくのだろう。
 小社でも各社の未来構想プロジェクトを支援させていただくケースが増加しているが、AIが織りなす世の中の変化については、様々な論調が飛び交っており、まさに各社各様、百花繚乱の様相を呈している。


若き論客に学ぶ理由

若き論客に学ぶべき理由はいくつかある。最も大きいのは、ビジネスキャリアを積めば積むほど、特に自社の未来を想起するうえで「経験バイアス」が発生しやすくなってしまうことであろう。「経験値」はもちろん何事にも代えがたい。一方で「経験」が新たな発想の障害になる…。
 実際に、自分自身も気を付けないとそうした面がちょこちょこと顔を出すことを否定できない。顧客先で、若い社員の意見にハッとさせられている上長の姿も実によく見る光景である。これからのビジネスは「自分をハッとさせてくれる存在」を持つことが大切になる。その1つが若き論客というわけだ。
一例だが、上記総務省の報告書からも、経営層やマネジャーが得られる示唆は多々あるだろう。自社ビジネスにつながるキーワードを見つけていただきたいと願う。もちろん新入社員も自分たちのこれからのビジネス環境を理解する上で、大いに役立つであろう。


次回予告

さて、今回はここまで。次号では、「若き論客に学ぶ~その2」と題し、今後注目しておきたい国内外の若き論客について具体的に紹介していくこととしたい。乞うご期待。

菊池 健司
菊池 健司

株式会社日本能率協会総合研究所 MDB事業本部 エグゼクティブフェロー。1990年日本能率協会総合研究所入社。マーケティング・データ・バンク(MDB)で長年に渡り、民間企業、官公庁、独立行政法人、大学等からの要請に応じ、公開情報を中心とした情報提供に携わる。現在は新規事業開発、新用途探索、ビジネスプラン策定といったテーマにおいて、情報コンサルタントとして個別企業や機関での支援活動に日々取り組んでいる。情報活用を通じて社員の発想を拡げることを目的とした研修の要望が急増している。

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