ビジネス情報収集の方法とは?情報収集の基本をプロが解説!
目次[非表示]
- 1.ビジネスにおける情報収集とは?その重要性は?
- 1.1.ビジネスにおける情報収集とは
- 1.2.情報収集がなぜ重要か
- 2.ビジネス情報の種類と二次情報のメリット
- 2.1.定量情報・定性情報
- 2.2.二次情報と一次情報
- 2.3.二次情報の種類とメリット
- 3.ビジネス情報収集の方法とおすすめ情報源
- 3.1.情報収集の目的とテーマ決め
- 3.2.情報収集の順番と種類
- 3.3.知る人ぞ知るおすすめ情報源紹介!
- 4.情報収集においてのよくある失敗例3選
- 4.1.よくある失敗例① 時間配分の失敗
- 4.2.よくある失敗例② 調査概要の確認漏れ
- 4.3.よくある失敗例③ アナログ情報を調べていない
- 4.4.「自力」での情報収集が難しければ、プロに頼ることも一つの手
- 5.MDBの市場調査
- 5.1.MDBは情報収集のプロ集団
- 5.2.MDBでお手伝いできること
- 6.まとめ
- 7.関連記事のご紹介
ビジネスにおける情報収集とは?その重要性は?
ビジネスにおける情報収集とは
「情報収集」というと、日常的にされている方も多いのではないでしょうか。ニュースを見たり、新聞を読んだり、SNSをチェックしたり、人と話すことも情報収集の一つです。
では、ビジネスにおける情報収集とは?
ビジネスでは、目標達成や利益に繋げるため、つまり、最終的な成果を上げるために情報収集を行います。プライベートであれば、興味の赴くままに好きな情報を見ても良いのですが、ビジネスでは、スピーディかつ正確に、必要な情報を集めることが求められます。
情報収集がなぜ重要か
では、そもそもなぜ情報収集が必要なのでしょうか。
社内や顧客先で提案を行う際、「今後この製品が伸びていく」と言っても、信ぴょう性がありません。「昨年からこの製品は10%の売上増をしている。それにはこんな背景があるので、今後も成長する」と言うと、一気に説得力が増します。
さらに、新たなアイデアを生み出すとき、時間をかけてやっと絞り出した案も、調べてみると、それはすでに競合が生み出していた案かもしれません。「今何が起きているのか?」「その背景は?」「これからそれがどうなりそうか?」などを調べずに、企画・検討をしても、絵に描いた餅状態。まずは情報を集めることで、現状を把握し、「これから」を考えることができるのです。
▼ビジネス情報収集については、下記の資料もぜひ参考にしてみてください。
→最新トレンドを知るためのビジネス情報収集法
ビジネス情報の種類と二次情報のメリット
ビジネスで必要な情報は、各種・幅広くありますが、各種の情報の性質・特徴により分類することができます。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
定量情報・定性情報
情報の内容によって、定量情報と定性情報に分けられます。
●定量情報
数字で表せる要素を指します。生産数や販売数、売上額、従業員数、店舗数、価格、アンケート回答数などが該当します。
●定性情報
数字では表すことのできない、物事の変化や質を、言葉で表すことを指します。
情報収集では、定量データと定性データ、どちらも集めることが大切です。たとえば、「テレワークの実施率が上がっている」ことについて情報収集する場合、定量情報は、「テレワークの実施率が10%上がっている」といった内容になります。10%増加を要因の考える際に、定性情報も収集することで「感染症拡大の影響で、特に首都圏の大企業を中心にインフラ整備を行ったため、テレワークの実施率が10%伸びた」となります。
定量情報だけでは、その事実が起きた背景や理由が分からず、今後の動向を予測することが難しいため、定性情報もチェックすることが重要です。
二次情報と一次情報
情報は、既に存在している既存・既知の情報と、必要に応じて新規に作成する情報があります。
●二次情報
既に世の中に出回っている情報を指します。既存の情報、公開情報、公表情報。インターネット等で収集できる情報は、ほとんどが二次情報になります。代表的な例は、官公庁が公表する統計類。
●一次情報
既存の情報がないため、新規に調査して作成することが必要な情報。アンケート調査、インタビュー調査、現地調査等。
二次情報の種類とメリット
ひとくちに「世の中に出回っている情報」と言ってもさまざまです。雑誌や新聞、書籍、論文、データベースで得られる情報などが該当します。民間調査会社が独自の調査内容をまとめた資料は、一冊で数十万円もするものも多いですが、新たに一から調べようとすると、調査設計から調査の実施、分析だけでも相当な時間と費用がかかります。二次情報は、その情報の信頼度に気を付けさえすれば、一次情報よりも費用をかけず、短時間で必要な情報を集められる、というメリットがあります。
ビジネス情報収集の方法とおすすめ情報源
ここまでは対象となる情報がどのようなものか、という説明をしてきました。ここからは、具体的に、どのように情報収集をしていくのか、そのノウハウを解説していきます。
情報収集の目的とテーマ決め
情報収集の前に、必ず目的とテーマを定めます。その情報を集めるのは、社内のどのような検討のためなのか、どのような顧客への提案のためなのか、目的・課題を明確にすることで、今必要な情報がなにか、テーマが定まっていきます。目的の明確化にあたっては調査にかけられる費用(調査費用)や時間(調査期限)も合わせて確認しておきましょう。
調査の目的・課題を明確にしたら、その課題に対する仮の答え、すなわち「仮説」を立てましょう。仮説があることで、何を調査するのか(調査対象)、どのように調査するのか、といった調査の方向性・調査方針が定まります。
情報収集の順番と種類
情報収集を効率的にしている人は、調査目的やテーマが定まったあと、信頼性の高い情報から調べていきます。
二次情報は、「信頼度の高さ」をキーワードに基本的に次の順番で調べます。
<情報収集の順番表>
(1)官公庁資料
官公庁からは、統計が1年間で約1,000点発表されており種類が豊富で様々な場面で活用することが可能です。大規模調査が多く、客観性・信頼性がともに高く、ほとんどがWEB上で公開されています。Web上で公開されているものがほとんどで、ExcelファイルやPDFファイルで容易に入手できます。官公庁の資料をチェックすることで、まずは調べたい業界や生活者意識の動きを大きく把握します。
(2)業界団体資料
業界団体の中には会員企業から情報を収集し、独自に統計を作成し公表している団体があります。業界全体のビジョンに関する報告書を公表していることもあります。Web上で公開しているものも多いので自分で市場調査をしている際には確認してみましょう。業界団体によっては世界の統計、情報も公開しています。ただし、会員企業の加入状況で数値が変動したり、調査対象が会員企業のみであるため市場全体をカバーしないこともある点には注意が必要です。
(3)シンクタンク/金融機関の資料
様々なデータを引用してまとめているため、業界動向の概要をつかむことができます。今後有望なテーマや産業が取り上げられることも多いです。
(4)民間調査会社資料
メーカーや流通事業者への取材に基づき、作成された資料です。上の2つが、事実に基づく統計データを中心に公開しているのに対し、企業シェアやランキング、チャネル別データ、長期予測データなどが載っています。官公庁の統計ではカバーされていない産業や企業シェアといった情報が多くあります。民間調査会社には、富士経済のような総合調査会社だけでなく、特定業界の調査を得意とする専門調査会社も多数存在します。自分で市場調査する際には調査テーマに詳しい調査会社はどこか抑えておくといいでしょう。注意点としては、官公庁や業界団体の公表資料とは異なり、高額な資料が多いということです。
(5)新聞/雑誌記事
これまで紹介をしてきた情報に比べると、まとまったデータは少ないですが、とにかく速報性があります。業界の動きや、競合・参入企業の情報を、ほぼリアルタイムに把握することができます。
知る人ぞ知るおすすめ情報源紹介!
ここでは、情報収集に長けている人ならチェックしている情報源を一部ご紹介します。これらの情報源を知っているかどうかで他の人との情報収集の差が出てくるかもしれません。
●成長戦略(首相官邸 日本経済再生本部)
有望市場をチェックする場合、まずは国の戦略を見ます。内閣によって名称は異なりますが、2021年6月現在は「成長戦略」として公開されています。内閣が「今後このような世の中にします」と宣言している資料で、そこで取り上げられた産業には、多額の予算が投じられるため、必然的に「成長産業」となります。
●みずほ産業調査(みずほ銀行)
毎年12月になると「日本産業の中期見通し」として、各産業の向こう5年の需給動向や予測がまとめられます。産業競争マップなど、視覚的な情報も含めた400ページにもわたるレポートを、WEB公開しています。
●業種別審査事典(金融財政事情研究会)
もともとは金融機関で融資先の検討を行うために活用されていた資料です。特徴は収録されている業種の多さです。約1,500の業種について、その業種の特色や市場規模、需給動向、改題と展望などがまとめられています。
情報収集においてのよくある失敗例3選
よくある失敗例① 時間配分の失敗
情報収集で一番よくある失敗は、「たくさん時間をかけたのに、情報が得られなかった」です。原因はいくつかありますが、一つの観点に固執しすぎていることが挙げられます。
たとえば、テーマを「電気自動車のパーツAの生産個数」とした場合、つい「生産個数そのものだけが必要な情報」だと固執しがちです。その場合、個数が出なかった時点で「情報無し」となってしまいますが、少し観点をひろげ、電気自動車の生産台数や、主力企業の工場の生産能力などの情報を収集すると、それらをかけ合わせることで、必要な情報に近づくことができます。
情報収集では、一つの観点に固執せず、別の観点からの情報をかけあわせるとどうなるか、もう少し広い概念で調べるとどうなるのかを検討することが非常に重要です。二次情報は、最初に調べる時間を設定しておき、それを超えた時点で、別の観点で情報を探すようにしましょう。
よくある失敗例② 調査概要の確認漏れ
そして、「失敗したことに気付いていない失敗」もあります。それが、調査概要の確認漏れです。人口ひとつをとっても、統計によって数字が異なります。2015年の東京都八王子市の人口は、それぞれ次のとおりです。
・国勢調査(2015年調査)・・・577,513人
・住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査(2015年調査)・・・562,572人
1万人以上もの差が生まれた原因は、調査概要を見ると分かります。「国勢調査」は、調査時点でその地域に住んでいる人を対象に、インターネット調査・調査票の配布を行います。一方で、「住民基本台帳に基づく…」は、調査時点での住民票に記載されている人の数が集計されています。つまり、八王子市の例は、学生など、住民票をうつさずにその地域に住んでいる人が、国勢調査では加算されたため、大きな差が生まれた、と推定されます。
これは人口の話だけでなく、例えば、「パソコンの台数」でも、データによってタブレット端末を含む/含まないなどの違いがあります。
情報収集をする際は、数字を鵜呑みにする前に、必ず調査概要を確認するようにしましょう。
よくある失敗例③ アナログ情報を調べていない
ノウハウで紹介した官公庁や業界団体、シンクタンク、金融機関の資料は、WEBでも見られるものが多いです。ただ一方で、会員にしか配っていない業界団体の資料や、民間調査会社の資料の多くは、アナログ情報として、紙媒体でしか確認できないものも多く存在します。
さらに、ピンポイントに特定の情報にたどり着けるWEB情報に対し、アナログ情報は、前後の流れをもとに、情報を体系立てて整理できる、という特長もあるため、アナログ情報も忘れずチェックしましょう。
「自力」での情報収集が難しければ、プロに頼ることも一つの手
時間を決めて調査を行うにも、なかなか時間がとれなかったり、本当に調べきれているのか、不安なことも多いでよね。また、調査を専門にしていないかぎり、どうしても偏った情報ばかりを集めてしまうことも多々…。
「自力で調べる」には、そのための時間の確保と、さらに、自身の情報収集力の強化が必須です。しかしそんな能力を一朝一夕で身につけるのは至難の業。そんなときは、情報収集の専門機関に頼ることも、一つの手段です。
MDBの市場調査
MDBは情報収集のプロ集団
マーケティング・データ・バンク(MDB)では、約2,000社の企業の情報収集を支援しています。情報収集を行うのは、調査を専門としている「情報コンサルタント」。皆様の調査背景、目的の確認から、テーマのお伺い、それに合った情報提供をワンストップで行っています。
MDBでお手伝いできること
MDBではまず、ご依頼のタイミングで、しっかりとヒアリングを行います。どのような背景で情報収集をしているのか、その情報をどのように使いたいのか、事前に確認をすることで、収集する情報を的確に絞り込んでいきます。
また、ヒアリングを行うことで「自分でも調べたいことがモヤモヤしていたけれど、話してクリアになりました!」という声もよくいただきます。調査後は、ご相談のテーマに合った資料をご紹介するだけでなく、「ライブラリ」という、専門のビジネス図書館があるため、実際の書籍を見たり、資料を電子ファイルやコピーで入手することも可能です。
まとめ
こちらの記事では、ビジネス情報収集の流れと注意点をまとめました。情報収集の順番関係なく、「まずはググる」という方も多いのではないのでしょうか。もちろんそれで必要な情報にたどり着けることもありますが、より効率的に、多くの情報を仕入れるために、ご紹介した順番をぜひ実践してみてください。その際は、調査時間を決めることと、調査概要の確認も忘れずに…。
「情報を制する者がビジネスを制する」と言われるこの時代、まずは情報収集力を着実に身に着けていきましょう!