シェアリングエコノミーの市場規模は?市場動向の調べ方を徹底解説!
インターネットが普及したことをきっかけに注目度が高まってきたシェアリングエコノミー。とりわけ近年では、1人1台スマートフォンを持つことが当たり前になり、場所や時間を問わずモノ・サービスの共有が簡単にできるようになったことから、急速に普及が進み、様々な種類のシェアリングサービスが生まれてきました。また、既存のモノや場所をシェアすることで、過剰な消費を抑制できるため、環境負荷低減に貢献できるサービスとして、期待されています。
当コラムでは、今後も市場の盛り上がりが予想されるシェアリングエコノミーの今後の普及見通しや市場規模など最新の市場動向を把握するための情報収集法について、解説していきたいと思います!
目次[非表示]
- 1.シェアリングエコノミー市場の現状
- 1.1.シェアリングエコノミーとは?
- 1.2.シェアリングエコノミーの市場規模
- 2.シェアリングエコノミーの市場動向の調べ方は?
- 2.1.インターネット上のオープン情報から調べる
- 2.2.官公庁統計、業界団体情報から調べる
- 2.3.業界専門情報から調べる
- 2.3.1.専門業界誌・調査会社等から調べる
- 2.3.2.主要企業情報
- 2.4.市場調査会社に新たに調査を依頼する
- 3.シェアリングエコノミーの市場を知るためのおすすめ情報源3選!
- 3.1.おすすめ情報源① シェアリングエコノミー協会
- 3.2.おすすめ情報源② 国内シェアリングエコノミーに関する意識調査2021
- 3.3.おすすめ情報源③ 「持たない時代」のマーケティング -サブスクとシェアリング・サービス-
- 4.まとめ
- 5.関連記事のご紹介
シェアリングエコノミー市場の現状
シェアリングエコノミーとは?
シェアリングエコノミーとは、インターネットを通して個人や企業等の間でモノや場所、スキルなどを共有、売買、貸し借りするなどの経済・社会モデルです。シェアリングエコノミーは、サービスの対象が多岐にわたりますが、代表的な分野はモノ、場所、スキルの3つになります。具体的に見ると、モノの分野では中古品の売買や洋服のレンタル、場所の分野では駐車場や部屋のようなスペースのレンタル、スキルの分野では家事やデータ分析などの個人が持つ能力や技術を売買するサービスなどがあります。
シェアリングエコノミーの市場規模
経済産業省が行った「シェアリングエコノミーに関する実態調査」によると、2019年時点でシェアリングエコノミーの年間取引額は、約1兆6,000億円でした。分野別にみると、モノの分野が最も規模が大きく、約1兆4,360億円となり、市場全体の約90%を占めています。続いて、場所の分野が約1,460億円、スキルの分野が約180億円でした。モノの分野として代表的な「メルカリ」や「ラクモ」等のフリマアプリは、テレビCM等のプロモーションにより知名度が高く、利用者も多いため、3つの分野では、モノのシェアが圧倒的な規模を誇っています。
出所)シェアリングエコノミーに関する実態調査 経済産業省 よりMDB作成
シェアリングエコノミーの市場動向の調べ方は?
次に、シェアリングエコノミーの市場動向や主要プレイヤー情報、今後の市場予測情報を、自分で収集する場合にどんな方法があるのか?について解説します。
シェアリングエコノミーのマーケット情報で重要な市場規模、企業シェア・予測等を調べる方法としては、①インターネット上のオープン情報から調べる、②統計情報から調べる、③専門業界情報から調べる、④市場調査会社に新規調査を依頼する、の4つの方法があります。
インターネット上のオープン情報から調べる
Googleなどのウェブブラウザで「シェアリングエコノミー 市場規模」、「シェアリングエコノミー 市場動向」、「シェアリングエコノミー 事例」などのキーワードで検索すると、多くの記事情報がヒットします。この記事情報を辿っていくと、市場調査レポートの発行元が発表しているプレスリリースや、国や業界団体、シンクタンクが発表している無料の調査報告書が見つかります。これらの情報を見ることで大きな潮流はどなたでも把握できると思います。
官公庁統計、業界団体情報から調べる
信頼できる情報源としては、第一に国の統計があげられます。その次に業界の企業が加盟している業界団体の情報です。該当の統計があれば、そこで市場規模の情報が入手できます。
インターネット等で、シェアリングエコノミー等のキーワードで業界団体や関連の官公庁サイトを探し、統計情報があるかを確認、その中にシェアリングエコノミーの情報があるかを調べます。
官公庁
官公庁の統計では、本ブログの2章で引用している経済産業省の「シェアリングエコノミーに関する実態調査」に加えて、デジタル庁の公開情報でも参考になる情報があります。デジタル庁では、主要業界団体などと連携をしながら、官民一体となってシェアリングエコノミーの取り組みを推進しており、HP上でシェアリングエコノミーの活用事例などを公表しているため、具体的なサービス事例を把握するときに活用できます。
業界団体
業界団体では、シェアリングエコノミー協会があります。同協会のHP上で市場規模の推移・予測、参入企業マップ、シェアリングサービス事例などが公開されており、市場情報が豊富にあります。シェアリングエコノミーに関する情報源としては、必ず見ておくべき業界団体となります。
業界専門情報から調べる
専門業界誌・調査会社等から調べる
シェアリングエコノミーに関する主要な市場調査資料は2つあります。
1つ目は、情報通信総合研究所の「シェアリングエコノミー調査 報告書」です。シェアリングエコノミー協会と共同調査を行っており、詳細な産業分類別の市場規模や予測情報などを報告書としてまとめています。
2つ目は、矢野経済研究所の「シェアリングエコノミー市場の実態と展望」です。市場規模や予測のみならず、参入企業の事業戦略や課題など幅広く市場情報を調査しております。
主要企業情報
シェアリングエコノミーはシェアリングサービスの対象が多岐にわたるため、数多くの企業がこの市場に参入しています。本ブログではその中でも代表的な3つの分野においてシェアサービスを提供している主要企業を紹介します。
モノのシェア
・メルカリ
フリマアプリの代表的な企業であるメルカリ。2013年にサービスを開始してから利用者数が右肩上がりに急成長しています。コロナ禍では、外出制限によるおうち時間の増加により、さらに利用者数を伸ばしています。
・エアークロゼット
女性向けに月額制の洋服レンタルサービスを提供しています。スタイリストが顧客の好みに合わせて提案した洋服を試着、レンタルすることができます。2015年2月にサービスを開始して以降、会員数を伸ばし続け、2022年7月には、東京証券取引所グロース市場へ上場を果たした注目企業です。
場所のシェア
・Airbnb
民泊物件と宿泊希望者をつなげる民泊仲介サービスの世界最大手企業。10万都市220以上の国・地域でサービスを展開しています。2020年は、コロナ禍の外出制限の影響を大きく受けたが、2021年にはV字回復を遂げ、今後も成長が見込まれる企業です。
・ザイマックス
法人会員制サテライトオフィスサービスを展開。コロナ禍に浸透したテレワーク需要により、急速に利用者を増やし、約2,600社(2022年7月時点)に利用されています。2022年7月には、会員制コワーキングスペースを展開する京浜急行電鉄と事業提携を結び、事業拡大が期待されます。
スキルシェア
・クラウドワークス
企業と個人をつなぐ日本最大のオンライン人材マッチングプラットフォームの開発、運営を行っています。創業以降利用者数を順調に伸ばし続けていますが、最近では企業の副業を容認する機運が高まり、今後はさらなる利用者増大が予想されています。
・ストリートアカデミー
教えたい人と学びたい人をオンライン上でマッチングさせるサービスを提供。家にいながら、英語や料理、スポーツ、占いなど様々なジャンルにおける講座を受講できるサービスとして人気を集め、2022年4月では、累計受講者数が100万人を突破している勢いのある企業です。
市場調査会社に新たに調査を依頼する
先に紹介した方法で期待する粒度の情報が入手できなかった場合、また情報が多すぎて取りまとめるのが難しい場合には、市場調査会社にアドホック調査を依頼するという選択肢もあります。公開情報を幅広く集めて、整理・分析するということに加え、有益な情報を保有する業界関係者・有識者等を探索し、インタビューを通してオリジナルな情報を収集し報告する形式をとっており、一般では取得が難しい情報にリーチできる可能性があります。
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シェアリングエコノミーの市場を知るためのおすすめ情報源3選!
弊社が運営するマーケティング・データ・バンク(MDB)でも、メンバー企業様からシェアリングエコノミーに関する調査相談を数多くいただいております。ここでは、弊社の情報コンサルタントが厳選した「シェアリングエコノミー市場」に関するおすすめ情報源を3つ紹介いたします。
おすすめ情報源① シェアリングエコノミー協会
シェアリングエコノミー協会
https://sharing-economy.jp/ja/20220118
先にもご紹介しましたが、情報源としてシェアリングエコノミー協会は外せない情報源です。市場規模の推移・予測、参入企業マップ、シェアリングサービス事例などのありとあらゆる市場情報が豊富にあります。シェアリングエコノミー全体を把握するうえでは、非常に有益な情報源になります。
おすすめ情報源② 国内シェアリングエコノミーに関する意識調査2021
国内シェアリングエコノミーに関する意識調査2021 pwc 2021.6
https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/sharing-economy2109.html
外資系コンサルティング会社のpwcが毎年調査を行っている意識調査情報になります。消費者のシェアリングエコノミーの認知度や利用経験、サービスに対して感じることなどについて調査されています。毎年定点的に調査がされており、消費者の意識動向の変化を把握することができます。市場情報だけではなく、消費者の意識を知るうえではおすすめの情報源のひとつとなります。
おすすめ情報源③ 「持たない時代」のマーケティング -サブスクとシェアリング・サービス-
「持たない時代」のマーケティング -サブスクとシェアリング・サービス-
高橋広行, CCCマーケティング総合研究所 同文舘出版 2022.5
マーケティングの視点でシェアリングサービスやサブスクリプションサービスなどについて分析されている資料になります。「モノを持たない時代」における消費者の購買行動や価値観、ペルソナといった消費者情報や、企業の取り組み事例などがまとめられています。マーケティング分析をする際に参考になる情報源となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、シェアリングエコノミーの市場動向の調べ方について解説しました。様々な業界に拡大していくこの市場は、今後ますます目が離せなくなっており、情報収集の重要性が増してきています。
弊社マーケティング・データ・バンク(MDB)にも関連資料は豊富に取り揃えていますので、もっと詳しく調べたい方や、有益な情報源を知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。MDBメンバー企業の方はすぐに調査をご相談いただくことも可能です。
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