化粧品の市場規模は?市場動向の調べ方を徹底解説!
メンズコスメや韓国コスメ、プチプラコスメ、オーガニックコスメなど、変化の激しい化粧品業界。最近はこれらに加えて、マスク敏感肌へのスキンケアも注目されています。
化粧品業界向けの新製品や原材料の展開、新サービスの導入を検討される方のなかには、化粧品の市場規模や今後の見通し、最新の市場動向を把握するための情報収集を積極的にされている方も多いかと思います。
今回のコラムでは、そのようなビジネスパーソン向けに、化粧品に関する最新の市場情報と、その収集方法ついて、解説をしていきます!
目次[非表示]
- 1.化粧品の市場規模
- 2.化粧品の市場動向の調べ方は?
- 2.1.統計情報を調べる
- 2.1.1.官公庁統計で生産から消費動向までを把握する
- 2.1.2.業界団体ホームページは、各統計がまとめられた便利サイト!
- 2.2.業界専門情報から調べる
- 2.3.市場調査会社に新たに調査を依頼する
- 3.化粧品市場を知るためのおすすめ情報源3選!
- 4.まとめ
- 5.関連記事のご紹介
化粧品の市場規模
まず、化粧品の市場がどのようになっているのか、「皮膚用化粧品」「仕上用化粧品」別に、出荷額の推移を調べました。
経済産業省の生産動態統計によると、2022年の「皮膚用化粧品」の出荷額は、5,684億円、「仕上用化粧品」の出荷額は、2,428億円と発表されています。
出所)生産動態統計 経済産業省 よりMDB作成
※皮膚用化粧品・・・洗顔クリーム・フォーム、クレンジングクリーム、マッサージ・コールドクリーム、モイスチャークリーム、乳液、化粧水、美容液、パック、男性皮膚用化粧品、その他の皮膚用化粧品
※仕上用化粧品・・・ファンデーション、おしろい、口紅、リップクリーム、ほほ紅、アイメークアップ、まゆ墨・まつ毛化粧料、つめ化粧料(除光液を含む)、その他の仕上化粧品
2020年、新型コロナウイルスの流行による外出控えやテレワークの影響で、化粧品の市場規模は減少傾向になりました。皮膚用化粧品は2022年も減少しており対前年比約81%でした。一方、仕上用化粧品は回復の兆しを見せ、対前年比約111%と増加に転じました。その他のカテゴリーを含む化粧品全体では約9%減となりました。直近で化粧品全体市場の天井となった2019年と比較し、2022年は約28%減となり、新型コロナウイルスの流行がもたらした化粧品市場へのマイナス影響がいかに大きいかが分かります。
▼マーケティング情報の収集テクニックは下記の資料でも解説しています。
化粧品の市場動向の調べ方は?
次に、化粧品の市場動向や主要プレイヤー情報、今後の市場予測情報を、自分で収集する場合にどのような方法があるのかについて解説します。
化粧品のマーケット情報で重要な市場規模、企業シェア・予測などを調べる方法としては、①統計情報を調べる、②業界専門情報を調べる、③市場調査会社に新規調査を依頼する、の3つの方法があります。
統計情報を調べる
信頼できる情報源として、まず国の統計があげられ、その次に業界の企業が加盟している業界団体の情報があげられます。
インターネットなどで、化粧品やコスメなどのキーワードで関連の官公庁サイトや業界団体を検索し、統計情報があるかを確認、そのなかに化粧品の情報があるかを調べます。
官公庁統計で生産から消費動向までを把握する
化粧品関連の統計は、先にご紹介した経済産業省の生産動態統計のほかに、以下のような情報源があります。
薬用化粧品の生産額や出荷額が公開されています。
生産や出荷といった市場情報ではなく、一世帯あたりの家計収支に関する統計です。品目別の支出金額の中で、化粧品は、化粧水や乳液、ファンデーション、口紅などの調査が行われています。
業界団体ホームページは、各統計がまとめられた便利サイト!
業界団体では、日本化粧品工業連合会があります。独自の統計はとられていないものの、これまでご紹介してきた統計のほか、財務省の貿易統計に基づく輸出入の動向や、厚生労働省の薬事関係業態数調に基づく製造販売業数の推移など、さまざまな統計が分かりやすくグラフ化された状態で公開されています。
また、日本百貨店協会のホームページでは、百貨店の化粧品売上について、地区別にまとめた情報も公開されています。
https://www.depart.or.jp/store_sale/
業界専門情報から調べる
雑誌・新聞情報
「化粧品 新聞」「化粧品 雑誌」などで検索を行い、検索結果に出てくる業界専門紙誌のサイトから、化粧品の情報を入手するという方法もあります。
化粧品の業界雑誌では、週刊粧業の「C&T」や国際商業出版社の「国際商業」、業界新聞では「週刊粧業」があります。さらに、週刊粧業のホームページでは、化粧品関連の最新ニュースや各社のプレスリリースがまとめられています。
また、「化粧品」が関わる業界もさまざまです。原材料という観点で、化学系の業界新聞「化学工業日報」や、体質改善や肌質改善といった観点で、健康関連の業界新聞「健康産業新聞」など、あらゆる側面から情報を集めることで、市場動向を幅広くチェックできます。
個別企業情報
話題になっている企業のサイトや、決算発表情報の内容を確認すると、有用な情報が掲載されていることもあります。
資生堂は、中長期計画のなかで、今後の市場環境を踏まえた課題や、取り組む事業についてまとめており、各決算情報では、売上低下や復調の要因も掲載しています。
プレスリリースだけでなく、それぞれの企業が出している計画や決算情報を調べることで、業界全体の課題や、今後の見通しを考える材料を仕入れることができます。
市場調査会社に新たに調査を依頼する
先にご紹介した方法で期待する情報にたどり着くことができなかった場合、また、情報量が多く、取りまとめることが難しい場合、市場調査会社に依頼をするという方法もあります。公開情報を幅広く集めて、整理・分析するということに加え、有益な情報を保有する業界関係者・有識者等を探索し、インタビューを通してオリジナルな情報を収集し報告する形式をとっており、より深い情報を取得したいといった場合に有効な手段になります。
▼市場調査にお困りならMDB ⇒資料ダウンロードはこちら
化粧品市場を知るためのおすすめ情報源3選!
弊社が運営するマーケティング・データ・バンク(MDB)でも、メンバー企業様から化粧品市場に関する調査相談を数多くいただいております。ここでは、弊社の情報コンサルタントが厳選した「化粧品」に関するおすすめ情報源を3つご紹介します!
化粧品に関する調査 マイボイスコム 2023.8
https://myel.myvoice.jp/products/detail.php?product_id=30111
インターネット調査機関のマイボイスコムが公開している意識調査レポートです。すべての情報を手に入れる場合は有料ですが、アンケート結果の概要やいくつかの問いについては、無料で公開されています。2023年は「第8回」調査が実施されました。2009年9月に実施された「第1回」以降の調査結果を確認することも可能です。
「消費者が求める化粧品・日用品」週刊粧業 2023.7
週刊粧業が毎年実施している、20代~30代の女性を対象にした「消費者が求める化粧品・日用品」に関するアンケート結果レポートです。毎年テーマが設定されており、2023年はアフターコロナの化粧品市場に言及しており、「購入価格帯はやや上昇傾向も未使用者の増加は懸念材料」とまとめられています。
アンケート調査結果のほかに、各企業の戦略や研究開発動向などもまとめられています。
カテゴリ別の市場データといえばこの資料!
●化粧品マーケティング要覧 富士経済
No.1~No.3と総括編の4分冊で発行されています。各化粧品の販売金額や企業シェア、ブランドシェア、商品リストといった市場情報のほかに、総括編では、価格帯別の動向などもまとめられています。また、2020年版からは、新型コロナウイルスの影響も掲載されており、化粧品の市場動向を把握するうえで、欠かせない資料です。
●機能性化粧品マーケティング要覧 富士経済
スキンケア化粧品・ベースメイク化粧品・ボディケア化粧品・ヘアケア化粧品の4分類で、ホワイトニングやアンチエイジング、敏感肌用をはじめとした各機能別に市場情報がまとめられています。こちらの資料も2020年版から、「新型コロナウイルス感染拡大が市場に与えた影響」として、機能別の伸長率や販売チャネル別の伸長率などがまとめられています。
まとめ
今回は、化粧品の市場動向の調べ方について解説しました。この市場は、新型コロナウイルスの影響を大きく受けたあとも、新製品が続々と発表され、さらにメンズコスメといった新たな市場が形成されるなど、目まぐるしく変化し続けています。各製品や原材料の市場から、消費者の購買意識や社会全体の風潮など、この分野に関わる情報は非常に多く存在します。
弊社マーケティング・データ・バンク(MDB)にも関連資料は豊富に取り揃えていますので、もっと詳しく調べたい方や、有益な情報源を知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。MDBメンバー企業の方はすぐに調査をご相談いただくことも可能です。
▼市場調査にお困りならMDB ⇒サービス資料ダウンロード【無料】はこちら