
化粧品の市場規模は?市場動向の調べ方を徹底解説!
メンズコスメや韓国コスメの流行に加え、肌の明るさや透明感を重視したアイテムが注目されるなど、変化の激しい化粧品業界。ここ数年はベースメイクやスキンケアの新しい価値観が次々に生まれています。
化粧品業界向けの新製品や原材料の展開、新サービスの導入を検討される方のなかには、化粧品の市場規模や今後の見通し、最新の市場動向を把握するための情報収集を積極的にされている方も多いかと思います。
今回のコラムでは、そのようなビジネスパーソン向けに、化粧品に関する最新の市場情報と、その収集方法について、解説をしていきます!
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化粧品の市場規模
まず、化粧品の市場がどのようになっているのか、「皮膚用化粧品」「仕上用化粧品」別に、出荷額の推移を調べました。
経済産業省の生産動態統計によると、2024年の「皮膚用化粧品」の出荷額は、6,116億円、「仕上用化粧品」の出荷額は、2,872億円と発表されています。

出所)生産動態統計 経済産業省 よりMDB作成
※皮膚用化粧品・・・洗顔クリーム・フォーム、クレンジングクリーム、マッサージ・コールドクリーム、モイスチャークリーム、乳液、化粧水、美容液、パック、男性皮膚用化粧品、その他の皮膚用化粧品
※仕上用化粧品・・・ファンデーション、おしろい、口紅、リップクリーム、ほほ紅、アイメークアップ、まゆ墨・まつ毛化粧料、つめ化粧料(除光液を含む)、その他の仕上化粧品
2024年、新型コロナウイルスの影響も落ちついたことから、外出機会の増加や実店舗需要の回復が進んだほか、インバウンド需要の効果もあり化粧品の市場規模は増加傾向になりました。皮膚用化粧品は2024年も増加しており対前年比約108%でした。また、仕上用化粧品は2022年からの回復基調を維持し、対前年比約106%でした。その他のカテゴリーを含む化粧品全体でも5.5%増となりました。ただ、化粧品市場全体で見ると、ピークだった2019年と比べて2024年はまだ約8割程度にとどまっており、回復は道半ばといえます。
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化粧品の市場動向の調べ方は?
次に、化粧品の市場動向や主要プレイヤー情報、今後の市場予測情報を、自分で収集する場合にどのような方法があるのかについて解説します。
化粧品のマーケット情報で重要な市場規模、企業シェア・予測などを調べる方法としては、①統計情報を調べる、②業界専門情報を調べる、③市場調査会社に新規調査を依頼する、の3つの方法があります。

統計情報を調べる
信頼できる情報源として、まず国の統計があげられ、その次に業界の企業が加盟している業界団体の情報があげられます。
インターネットなどで、化粧品やコスメなどのキーワードで関連の官公庁サイトや業界団体を検索し、統計情報があるかを確認、そのなかに化粧品の情報があるかを調べます。
官公庁統計で生産から消費動向までを把握する
化粧品関連の統計は、先にご紹介した経済産業省の生産動態統計のほかに、以下のような情報源があります。
薬用化粧品の生産額や出荷額が公開されています。
生産や出荷といった市場情報ではなく、一世帯あたりの家計収支に関する統計です。品目別の支出金額の中で、化粧品は、化粧水や乳液、ファンデーション、口紅などの調査が行われています。
業界団体ホームページは、各統計がまとめられた便利サイト!
業界団体では、日本化粧品工業会があります。独自の統計はとられていないものの、これまでご紹介してきた統計のほか、財務省の貿易統計に基づく輸出入の動向や、厚生労働省の薬事関係業態数調査に基づく製造販売業数の推移など、さまざまな統計が分かりやすくグラフ化された状態で公開されています。
日本百貨店協会のホームページでは、百貨店の化粧品売上について、地区別にまとめた情報が公開されています。
業界専門情報から調べる
雑誌・新聞情報
「化粧品 新聞」「化粧品 雑誌」などで検索を行い、検索結果に出てくる業界専門紙誌のサイトから、化粧品の情報を入手するという方法もあります。
化粧品の業界雑誌では、週刊粧業の「C&T」や国際商業出版の「国際商業」、業界新聞では「週刊粧業」があります。さらに、週刊粧業のホームページでは、化粧品関連の最新ニュースや各社のプレスリリースがまとめられています。
また、「化粧品」が関わる業界もさまざまです。原材料という観点で、化学系の業界新聞「化学工業日報」や、体質改善や肌質改善といった観点で、健康関連の業界新聞「健康産業新聞」など、あらゆる側面から情報を集めることで、市場動向を幅広くチェックできます。
個別企業情報
話題になっている企業のサイトや、決算発表情報の内容を確認すると、有用な情報が掲載されていることもあります。
資生堂は、中長期計画のなかで、今後の市場環境を踏まえた課題や、取り組む事業についてまとめており、各決算情報では、構造改革の効果や海外事業の状況などを掲載しています。
プレスリリースだけでなく、それぞれの企業が出している計画や決算情報を調べることで、業界全体の課題や、今後の見通しを考える材料を仕入れることができます。
市場調査会社に新たに調査を依頼する
先にご紹介した方法で期待する情報にたどり着くことができなかった場合、また、情報量が多く、取りまとめることが難しい場合、市場調査会社にアドホック調査を依頼をするという方法もあります。公開情報を幅広く集めて、整理・分析するということに加え、有益な情報を保有する業界関係者・有識者等を探索し、インタビューを通してオリジナルな情報を収集し報告する形式をとっており、より深い情報を取得したいといった場合に有効な手段になります。
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化粧品市場を知るためのおすすめ情報源3選!
弊社が運営するマーケティング・データ・バンク(MDB)でも、メンバー企業様から化粧品市場に関する調査相談を数多くいただいております。ここでは、弊社の情報コンサルタントが厳選した「化粧品」に関するおすすめ情報源を3つご紹介します!
おすすめ情報源① 化粧品に関するアンケート調査 マイボイスコム
化粧品に関するアンケート調査【第10回】 2025.08 マイボイスコム
https://myel.myvoice.jp/products/detail/32511
インターネット調査機関のマイボイスコムが公開している意識調査レポートです。すべての情報を手に入れる場合は有料ですが、アンケート結果の概要やいくつかの問いについては、無料で公開されています。2025年は「第10回」調査が実施されました。2009年9月に実施された「第1回」以降の調査結果を確認することも可能です。
おすすめ情報源➁「消費者が求める化粧品・日用品」週刊粧業
「消費者が求める化粧品・日用品」2025.7 週刊粧業
週刊粧業が毎年実施している、20代~30代の女性を対象にした「消費者が求める化粧品・日用品」に関するアンケート結果レポートです。毎年テーマが設定されており、2025年は値上げに対する許容度が高まっていることに言及しています。「かつてないほどのフォローウインドが吹いており、高付加価値アイテムを開発・投入していくことが求められる」とまとめられています。
アンケート調査結果のほかに、各企業の戦略や研究開発動向などもまとめられています。
カテゴリ別の市場データといえばこの資料!
●化粧品マーケティング要覧 2025 富士経済
No.1~No.3の3分冊で発行されています。各化粧品の販売金額や企業シェア、ブランドシェア、商品リスト、販売チャネル別動向といった市場情報がまとめられています。化粧品の市場動向を把握するうえで、欠かせない資料です。
●機能性化粧品マーケティング要覧 2024ー2025 富士経済
スキンケア化粧品・ベースメイク化粧品・ボディケア化粧品・ヘアケア化粧品の4分類で、ホワイトニングやアンチエイジング、敏感肌用をはじめとした各機能別に市場情報がまとめられています。また、機能別の伸長率や販売チャネル別の伸長率などもまとめられており、商品の訴求機能を検討するのに参考になる資料となっております。
まとめ
今回は、化粧品の市場動向の調べ方について解説しました。この市場は、新型コロナウイルスの影響が一段落し、マスクを外す機会も増えたことから回復傾向にあります。
また、高機能・高付加価値商品が増加している一方、生活防衛思考が高まっていることで安価なプチプラ製品の需要も高まっており、需要の二極化傾向がみられます。
さらにこの分野については、各製品や原材料の市場から消費者の購買意識や社会全体の風潮など、情報は非常に多く存在するため市場を掴むためには多岐に渡る情報収集が必要です。
弊社マーケティング・データ・バンク(MDB)にも関連資料は豊富に取り揃えていますので、もっと詳しく調べたい方や、有益な情報源を知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。MDBメンバー企業の方はすぐに調査をご相談いただくことも可能です。
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