
次世代ディスプレイの市場規模は?市場動向の調べ方を徹底解説!
液晶テレビやノートパソコン、タブレット端末、スマートフォン、車載用などさまざまな分野で用いられているディスプレイデバイス。電機・電子機器の業界団体である電子情報技術産業協会(JEITA)が公表した最新版「Display Vision」では、市場の拡大や用途の多様化、最先端技術の進展が示されています。様々な業界に影響のあるデバイスのため、今後の普及見通しや市場規模など最新の市場動向を把握するための情報収集を積極的にされているのではないでしょうか。
今回は、ビジネスとして高いポテンシャルを持つディスプレイ市場について、最新マーケット情報と、その収集方法を解説し、有機ELディスプレイやマイクロLEDディスプレイなどの最新分野の動向についても触れていきます。
目次[非表示]
次世代ディスプレイ市場の現状
次世代ディスプレイ(マイクロLED)の市場規模・予測
次世代ディスプレイとして注目されているのがマイクロLEDディスプレイです。マイクロ LED ディスプレイは自発光型の無機LEDを敷き詰めて画像を表示するディスプレイで、長寿命、高速応答、高コントラスト、省電力などの特徴を持ちます。
Omdiaの予測では、世界出荷台数は2031年に3,460万台に拡大する見込みです。
特にXR(拡張現実)向けのスマートグラスなど小型ディスプレイ分野で採用が進んでおり、今後の市場拡大が期待されています。また、自動車用ディスプレイ、大型商業施設や駅の電子広告、映像制作現場の大型背景スクリーンなど、従来の有機ELや液晶では難しい特殊サイズや高性能が必要な分野でも活用が広がると見込まれています。

出所)Micro LED display market to reach 34.6 million units by 2031 reports Omdia
▼マーケティング情報収集の基本セオリーは下記でも解説してますので合わせてご覧ください
次世代ディスプレイの市場動向の調べ方は?
次に、次世代ディスプレイ市場の最新動向や主要プレイヤー、今後の市場予測などのマーケット情報を、自分で収集する方法について解説します。
これらのマーケット情報を調べる方法としては、①インターネット上のオープン情報から調べる、②官公庁や業界団体情報から調べる、③専門業界情報から調べる、④市場調査会社に新規調査を依頼する、の4つの方法が一般的です。

インターネット上のオープン情報から調べる
Googleなどのウェブブラウザで「次世代ディスプレイ 市場規模」とキーワードで検索すると、160万件以上の検索結果が表示されます。これらを上位表示のWebページから辿っていくと、市場調査会社が発行している次世代ディスプレイ市場やマイクロLEDディスプレイ、有機ELディスプレイをテーマにした市場レポートのプレスリリースや各媒体のネット記事が確認できます。これらの情報を見ることで大きな潮流はどなたでも把握できます。
官公庁統計、業界団体情報から調べる
より信頼できる情報源としては、官公庁や業界の企業が加盟している業界団体の情報があります。該当する統計や報告書があれば、そこで市場規模や市場動向を掴むことができます。官公庁や業界団体に該当する情報があるかどうかは、インターネットで、ディスプレイやディスプレイデバイス、LCD、OLEDなどキーワードで検索することで調べられます。
官公庁
官公庁の統計データには、「ディスプレイデバイス」そのものの情報は掲載されていないようです。周辺の調査品目では、経済産業省の機械統計に、液晶ディスプレイの部材の液晶素子、半導体製造装置及びフラットパネル・ディスプレイ製造装置があります。
業界団体
業界団体では、JEITAの中に「ディスプレイデバイス部会」という組織があります。この組織では、ディスプレイデバイスの世界市場動向調査の結果を、毎年発行の「電子情報産業の世界生産の見通し」に掲載しています。こちらは数千円で購入できる刊行物になります。他の電子機器も取り上げられているので興味のある方は購入を検討されても良いかもしれません。
電子情報産業の世界生産見通し2024/JEITA
https://www.jeita.or.jp/japanese/topics/2024/1219-1.pdf

専門業界誌・調査会社等から調べる
マテリアルや工業分野の専門業界紙誌で探すという方法もあります。新聞であれば「化学工業日報」や「電波新聞」、業界誌であれば、「機能材料」や「コンバーテック」といった媒体で、ディスプレイデバイスに関連する企業や研究機関の最新の取り組みや規制・規格動向に関するニュースが見つかります。また、産業タイムズ社が「電子ディスプレーメーカー計画総覧」という冊子を毎年発行しており、ディスプレイ関連メーカー各社の業績や設備投資などの最新状況や、次世代ディスプレイ技術の開発動向まで特化してとりまとめています。
業界紙誌以外にも、調査会社が発刊する調査レポートもあります。
例えば、ディスプレイデバイスをテーマに扱った調査レポートを出している機関としては、富士キメラ総研やグローバルネットなどの調査会社があります。医療、車載デバイス、スマートホームなどアプリケーションを軸に見ていく場合には情報源はさらに拡充可能です。価格相場は1冊数万円~数十万円するものまでさまざまですが、当該分野を体系的に取りまとめているレポートもあるので、購入を検討されてもよいかもしれません。具体的なおすすめ資料のタイトルは後半で紹介します。
市場調査会社に新たに調査を依頼する
先に紹介した方法で期待する粒度の情報が入手できなかった場合、また情報が多すぎて取りまとめるのが難しい場合には、市場調査会社にアドホック調査を依頼するという選択肢もあります。公開情報を幅広く集めて、整理・分析するということに加え、有益な情報を保有する業界関係者・有識者等を探索し、インタビューを通してオリジナルな情報を収集し報告する形式をとっており、一般では取得が難しい情報にリーチできる可能性があります。
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ディスプレイデバイス市場を知るためのおすすめ情報源3選!
弊社が運営するマーケティング・データ・バンク(MDB)にも、ディスプレイデバイスの市場動向に関する調査相談をメンバー企業様から数多くいただいております。ここでは、弊社の情報コンサルタントが厳選した「ディスプレイデバイス」に関するおすすめ情報源を3つ紹介いたします。
おすすめ情報源① 2025年 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望
2025 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望 2025.07 富士キメラ総研
富士キメラ総研が発刊しているディスプレイ関連市場をまとめた調査レポートで、ディスプレイデバイス、アプリケーション、関連部品材料の世界市場と次世代技術の動向がとりまとめられています。日本のみならず、韓国、中国、台湾などの主要参入企業の情報やディスプレイのサイズ別や用途別で市場が取られているのが特徴です。ディスプレイ市場について様々な角度でチェックしたい方は購読をおすすめします。
おすすめ情報源② 電子ディスプレーメーカー計画総覧 2025年度版
電子ディスプレーメーカー計画総覧 2025年度版 2025.03 産業タイムズ社
世界のディスプレイ市場が整理されたレポートです。韓国・台湾・中国など主要地域ごとの市場動向や、主要メーカーの戦略、設備投資計画、研究開発の取り組みを最新取材に基づき詳しく紹介されています。また、日本国内の素材・部材・装置メーカーの現状や今後の計画、さらにディスプレイ関連工場の設備構成や導入状況についての内容もご覧いただけます。グローバルな業界動向と国内の詳細情報をあわせて把握できる構成となっており、ディスプレイ産業の全体像を理解するために役立つ一冊です。
おすすめ情報源③ XRデバイス・ディスプレー最前線
XRデバイス・ディスプレー最前線 - 量産投資が進むOLEDoSの動向に迫る 2024.12 産業タイムズ社
VR・AR・MRなど次世代デバイスの最新動向と、搭載される最先端ディスプレイの市場についてまとめられているレポートです。注目のOLEDoSやLEDoSの高輝度化・低コスト化など技術革新をわかりやすく紹介し、国内外メーカーの最新開発事例や今後の市場展望についての情報がご覧いただけます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、次世代ディスプレイ市場の最新動向の調べ方について解説しました。弊社マーケティング・データ・バンク(MDB)にも関連資料は豊富に取り揃えていますので、もっと詳しく調べたい方や、有益な情報源を知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。MDBメンバー企業の方はすぐに調査をご相談いただくことも可能です。
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