
電気自動車・ハイブリッド車の市場規模は?市場動向の調べ方を徹底解説!
近年、市場拡大が進んでいる電気自動車やハイブリッド車。自動車業界向けに既に事業を展開している方、自動車業界向けの新ビジネスをこれから検討される方の中には、電気自動車の今後の普及見通しや市場規模など最新の市場動向を把握するための情報収集を積極的にされているのではないでしょうか。
当コラムでは、そのようなビジネスパーソン向けに、電気自動車やハイブリッド車に関する最新マーケット情報とその収集方法について、解説していきます!
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電気自動車・ハイブリッド車の市場規模
日本においては、HV(ハイブリッド車)が乗用車全体の販売台数に占める構成比は2020年37.1% → 2024年61.1%まで上昇し、販売台数は 2020年 920,275台 → 2024年1,542,784台(+68%)となっています。HVの車種幅と価格バランスが浸透し、ガソリン車からの置換えが進んでいます。
BEV(バッテリー電気自動車)の構成比は2020年0.6% → 2024年1.4%と漸増で、販売台数は2020年14,604台 → 2024年34,057台(+133%)。
PHEV(プラグインハイブリッド車)の構成比は2020年0.6% → 2024年1.7%。
販売台数は2020年14,741台 → 2024年43,132台(+193%)となります。
2023年にPHEVが一度伸びた後、2024年は鈍化。普及の鍵は価格・充電環境・車種拡充となります。
ディーゼル車の構成比は、2020年6.0% → 2024年4.4%と緩やかに低下。
ガソリン車は縮小傾向です。構成比は、2020年55.7% → 2024年31.4%に低下しています。
HV:ハイブリッド(非プラグイン)、PHEV:プラグインハイブリッド、BEV:バッテリー電気自動車、
FCV:燃料電池自動車、 Other:LPG車など
出所)日本自動車販売協会連合会資料 よりMDB作成
電気自動車・ハイブリッド車の市場動向の調べ方は?
次に、電気自動車・ハイブリッド車の市場動向や主要プレイヤー情報、今後の市場予測情報を、自分で収集する場合にどんな方法があるのか?について解説します。

電気自動車・ハイブリッド車のマーケット情報で重要な市場規模、企業シェア・予測等を調べる方法としては、①インターネット上のオープン情報から調べる、②統計情報から調べる、③専門業界情報から調べる、④市場調査会社に新規調査を依頼する、の4つの方法があります。
インターネット上のオープン情報から調べる
Googleなどのウェブブラウザで「電気自動車 市場規模」、「電気自動車 市場予測」などのキーワードで検索すると、多くの記事情報がヒットします。この記事情報を辿っていくと、市場調査レポートの発行元が発表しているプレスリリースや、国や業界団体、シンクタンクが発表している無料の調査報告書が見つかります。これらの情報を見ることで大きな潮流はどなたでも把握できます。
官公庁統計、業界団体情報から調べる
信頼できる情報源としては、第一に国の統計があげられます。その次に業界の企業が加盟している業界団体の情報です。該当の統計があれば、そこで市場規模の情報が入手できます。
インターネット等で、電気自動車やハイブリッド車、EV、HVなどのキーワードで業界団体や関連の官公庁サイトを探し、統計情報があるかを確認、その中に電気自動車の情報があるかを調べます。
官公庁・国際機関
自動車の統計ですと、国土交通省自動車局の自動車保有車両数、経済産業省の生産動態統計機械統計がありますが、プラグインハイブリッド車(PHV)・電気自動車(EV)の乗用車販売台数に占める割合は現在5%以下のため、国の統計には市場規模の統計情報がでていません。
世界全体の電気自動車(EV)の動向・分析については、国際エネルギー機関International Energy Agency(IEA)が毎年レポートをインターネットで公開しています。
業界団体
業界団体では、自動車工業会、全国軽自動車協会連合会、日本自動車販売協会連合会、自動車検査登録情報協会、電気自動車関連の業界団体として、次世代自動車振興センター、電気自動車普及協会があります。
自動車工業会では次世代自動車の販売台数の統計、次世代自動車振興センターでは、電気自動車・ハイブリッド車の統計をサイトで発表しています。日本自動車販売協会連合会のサイトでは、燃料別販売台数(乗用車)の統計で企業別の月別の電気自動車・ハイブリッド車の販売台数がとれます。また、日本自動車販売協会連合会ではインターネットでは公開していない統計情報の資料を発行しています。

業界専門情報から調べる
専門業界誌・調査会社等
「自動車 新聞」、「自動車 雑誌」などで検索すると、専門業界紙誌のサイトがみつかりますので、そこで電気自動車の情報を検索するという方法もあります。電気自動車やハイブリッド車というキーワードでもよいですが、電気自動車・ハイブリッド車を含めた業界全体のキーワードで検索してみるというのも調べ方のポイントになります。ヒットしてきた日刊自動車新聞、ベストカーWebなどのサイトでも最新のニュース、規制動向のニュース等も読めますし、企業シェアや企業ランキング、市場予測の情報などもヒットしてくる場合もあります。
自動車業界専門の有料の情報提供サービスとしては、自動車産業ポータルMarkLinesや、自動車専門調査会社のFOURINなどがあります。また、自動車専門ではない総合的な調査会社でも、電気自動車やハイブリッド車は話題のテーマとして、各種調査レポートを発刊しています。市場規模や予測だけでなくマーケット情報全般が網羅的に把握できます。価格相場は1冊数万円~数十万円するものまでさまざまですが、その分野に特化して取りまとめられていますので、購入を検討されてもよいかもしれません。
個別企業情報
話題になっている企業のサイトや、決算発表情報の内容を確認すると、有用な情報が記載されています。話題になっている米国のテスラ(Tesla)のプレスリリースでは、四半期ごとに車種別の生産台数を発表しています。また、業界の課題となっているリスク情報や・業界の課題、新技術の開発、工場建設、決算見通しの情報もわかります。決算予報や、中期経営計画なども公開されていますので、予測を考える上での参考情報になります。
市場調査会社に新たに調査を依頼する
先に紹介した方法で期待する情報にたどり着くことができなかった場合、また情報が多すぎて取りまとめるのが難しい場合、他の手段として市場調査会社にアドホック調査を依頼するという方法もあります。公開情報を幅広く集めて、整理・分析するということに加え、有益な情報を保有する業界関係者・有識者等を探索し、インタビューを通してオリジナルな情報を収集し報告する形式をとっており、より深い情報を取得したいといった場合に有効な手段になります。
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電気自動車・ハイブリッド車市場を知るためのおすすめ情報源3選
弊社が運営するマーケティング・データ・バンク(MDB)でも、メンバー企業様から電気自動車やハイブリッド車市場に関する調査相談を数多くいただいております。ここでは、弊社の情報コンサルタントが厳選した「電気自動車(EV)市場」に関するおすすめ情報源を3つ紹介いたします。
Global EV Outlook 2025
IEA 2025.5.14
https://www.iea.org/reports/global-ev-outlook-2025
国際エネルギー機関 International Energy Agency(IEA)が毎年発行しているレポートです。各国政府の電気自動車関連の環境政策や、過去からの地域別、車種別(乗用車、バス、トラック等)の電気自動車(EV)の生産、販売、保有台数のデータがまとめられており、2030年までの予測値を出しています。
2025年版 HEV、EV関連市場徹底調査分析
2025年版 HEV、EV関連市場徹底調査分析 富士経済 2025.9
株式会社富士経済が発刊しているハイブリッド車(HV)、電気自動車(EV)の調査レポートです。
HVが日本の乗用車販売に占める割合は50%を超えているので、多くの日本の電気自動車(EV)関連の調査レポートは、HVも含めての報告書になっています。最新の2025年度版では、ハイブリッド車(HV)、 電気自動車(EV)の世界市場、地域別の市場規模、予測、また企業別の予測値や、主要国の排ガス規制やエコカー優遇制度、企業別事例、また関連部品市場が網羅的に調査されています。現状から2040年までの市場を予測しています。
2025年版 電動化車両と関連主要部品のロードマップ
2025年版 電動化車両と関連主要部品のロードマップ 総合技研 2025.4
パワートレインのEVシフトに焦点を当てた調査レポートです。EV、PHV、フルHEV、48V-HEVといった電動化車両の市場実態・予測、さらに電動化車両に用いられる部品市場についての技術指標とそのロードマップを分析しています。
環境規制対応策の中でパワートレイン電動化と車体軽量化、次世代エンジン開発など他対応策とのすみ分け状況が明確化されています。電動化車両のグローバル市場を地域別に把握できます。
まとめ
今回は、電気自動車・ハイブリッド車の市場動向の調べ方について解説しました。地球温暖化対策の一つとして、従来のガソリン車から電気自動車・ハイブリッド車へのシフトが世界で進められており、ビジネスにおける期待も大きい市場のため、この分野は動向を把握するための情報は多いです。
弊社マーケティング・データ・バンク(MDB)でも関連資料は豊富に取り揃えています。もっと詳しく調べたい方や、別の切り口で調べたい方、有益な情報源を知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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