
冷凍食品の市場規模は?市場動向の調べ方を徹底解説!
近年、市場拡大が進んでいる冷凍食品業界。共働きや高齢世帯の増加により、食の簡便需要が強まった影響で、冷凍食品市場は拡大を続けていましたが、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛の影響で、その需要はさらに加速しています。
いまや食品メーカー以外の業界も注目する冷凍食品業界に関する最新マーケット情報と、その収集方法について、解説していきます!
目次[非表示]
- 1.冷凍食品の市場規模
- 2.冷凍食品の市場動向の調べ方は?
- 2.1.インターネット上のオープン情報から調べる
- 2.2.官公庁統計、業界団体情報から調べる
- 2.3.業界専門情報から調べる
- 2.3.1.専門業界誌・調査会社など
- 2.3.2.個別企業情報
- 2.4.市場調査会社に新たに調査を依頼する
- 3.冷凍食品市場を知るためのおすすめ情報源3選!
- 4.まとめ
冷凍食品の市場規模
まず、現状の冷凍食品市場がどのようになっているのか、1世帯あたりの冷凍食品にかける年間支出金額で調べました。
家計調査によると、冷凍食品への年間支出額は、微増傾向が続いていましたが、2020年は8,787円と前年比112.4%と大きく伸びました。
出所)総務省 家計調査 よりMDB作成
これは新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、外食機会が大幅に減少した一方で、自宅での料理機会が増えたことを反映した結果となっております。
冷凍食品の市場動向の調べ方は?
次に、冷凍食品の市場動向や主要プレイヤー情報、今後の市場予測情報を、自分で収集する場合にどんな方法があるのか?について解説します。
冷凍食品のマーケット情報で重要な市場規模、企業シェア・予測等を調べる方法としては、①インターネット上のオープン情報から調べる、②統計情報から調べる、③専門業界情報から調べる、④市場調査会社に新規調査を依頼する、の4つの方法があります。
インターネット上のオープン情報から調べる
Googleなどのウェブブラウザで「冷凍食品 市場規模」、「冷凍食品 市場予測」などのキーワードで検索すると、多くの記事情報がヒットします。この記事情報を辿っていくと、市場調査レポートの発行元が発表しているプレスリリースや、国や業界団体、シンクタンクが発表している無料の調査報告書が見つかります。これらの情報を見ることで大きな潮流はどなたでも把握できると思います。
官公庁統計、業界団体情報から調べる
信頼できる情報源としては、第一に国の統計があげられます。その次に業界の企業が加盟している業界団体の情報です。該当の統計があれば、そこで市場規模の情報が入手できます。
インターネット等で、冷凍食品や冷食、料理、食事などキーワードで業界団体や関連の官公庁サイトを探し、統計情報があるかを確認、その中に冷凍食品の情報があるかを調べます。
官公庁・国際機関
冷凍食品に関する統計ですと、総務省の「家計調査」が情報源としてあげられます。
家計調査は、メーカー側の生産や出荷といった市場情報ではなく、一世帯あたりの家計収支に関する統計です。品目別の支出金額や、購入頻度などの情報がみることができます。冷凍食品は「食料」の中の「調理食品」というカテゴリー内、「冷凍調理食品」とう品目で記載がされています。
また、経済産業省の工業統計においても、「冷凍調理食品」として出荷額と産出事業所数データを確認できます。
業界団体
業界団体では、日本冷凍食品協会があります。冷凍食品に関する統計は基本的にはここで取られているものがほとんどですので、必ず見ておくべき情報源でしょう。
日本冷凍食品協会では、国内における冷凍食品の生産量を品目別・用途別で調査しているのに加え、一人当たりの消費量や、「冷凍食品の利用状況」というアンケート調査も実施しており、消費者側の目線に立った統計もそろっているのが特徴です。
業界専門情報から調べる
専門業界誌・調査会社など
「冷凍食品 新聞」、「冷凍食品 雑誌」などで検索をし、出てくる業界専門誌のサイトなどから冷凍食品市場の情報を入手するという方法もあります。
冷凍食品に関係する業界新聞としては、冷凍食品新聞社の「冷凍食品新聞」を筆頭に、食品産業新聞社の「冷食日報」や日本食糧新聞社の「日本食糧新聞」などがあります。新聞以外では日刊経済通信社の「酒類食品統計月報」、ダイヤモンド・リテイルメディアの「DIAMOND Chain Store」なども注目情報源です。
また、冷凍食品のような「食」に関わる業界は、世の中のトレンドや消費者のライフスタイルの変化によって急激に市場も変わっていきます。そういった意味では、冷凍食品のことだけではなく、広く世の中の動き、消費者の傾向を把握しておいた方が良いかもしれません。
個別企業情報
話題になっている企業のサイトや、決算発表情報の内容を確認すると、有用な情報が記載されていることも多くあります。冷凍食品業界では、例えばマルハニチロは独自に「冷凍食品に関する調査2021」という、冷凍食品に対する意識や利用実態を調査した結果をニュースリリースで公表しています。その他でも味の素冷凍食品やニチレイといった大手企業のサイトをチェックすると、業界の課題、新技術の開発、工場建設、決算見通しなどの情報もわかります。決算予報や、中期経営計画なども公開されていますので、予測を考える上での有益な参考情報となります。
市場調査会社に新たに調査を依頼する
先にご紹介した方法で期待する情報にたどり着くことができなかった場合、また、情報量が多く、取りまとめることが難しい場合、市場調査会社に依頼をするという方法もあります。公開情報を幅広く集めて、整理・分析するということに加え、有益な情報を保有する業界関係者・有識者等を探索し、インタビューを通してオリジナルな情報を収集し報告する形式をとっており、より深い情報を取得したいといった場合に有効な手段になります。
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冷凍食品市場を知るためのおすすめ情報源3選!
弊社が運営するマーケティング・データ・バンク(MDB)でも、メンバー企業様から冷凍食品市場に関する調査相談を数多くいただいております。ここでは、弊社の情報コンサルタントが厳選した「冷凍食品」に関するおすすめ情報源を3つご紹介します!
おすすめ情報源① まずは押さえるべき基礎情報
●統計資料 一般社団法人 日本冷凍食品協会
https://www.reishokukyo.or.jp/statistic/
日本冷凍食品協会が毎年発表している統計です。主に国内の冷凍食品生産量、消費量についてまとめられているほか、海外からの輸入量もデータを取っているので国外についても情報収集が可能です。
また、消費者へアンケート調査をした「“冷凍食品の利用状況”実態調査」も同サイトで見ることができますので、消費者側の情報収集にも有効的なサイトとなっております。
おすすめ情報源② 市場調査レポートの王道
●2021年食品マーケティング便覧 総市場分析編 富士経済 2021.3
株式会社富士経済が発刊している食品業界全体を網羅した調査レポートシリーズです。「No.1~6」と「総市場分析編」の合計7冊に分かれており、「総市場分析編」では、加工食品及び食品業界関連市場の中長期予測データや、主要品目・カテゴリーの10カ年の経年変化、新型コロナウイルスが食品業界に与える影響について品目横断での分析、市販用・業務用別の影響、小売・外食・中食別の影響、消費動向を掲載・分析しています。
おすすめ情報源③ 知る人ぞ知る特別特集誌
●ダイヤモンドリテイルメディア創立50周年記念別冊 激変!冷凍食品 DIAMOND Chain Store 2020.9
小売・流通業界の専門メディア「ダイヤモンド・チェーンストア」の編集部が、業界の最新ニュース解説やキーパーソンへのインタビュー、データ分析など、さまざまな切り口で業界関係者必見の最新&深掘り情報をまとめた「ダイヤモンドリテイルメディア」の創立50周年記念として作られた特別誌です。コロナ禍の冷凍食品業界において、注目される冷凍食品メーカー、独自の冷凍食品を展開する小売、海外の冷凍食品の状況など、幅広く冷凍食品の最新情報が掲載されています。
まとめ
今回は、冷凍食品の市場動向の調べ方について解説しました。需要の急激な増加により、利用形態や消費者意識など目まぐるしく変化しているこの業界は、異業界の参入などで今後ますます目が離せなくなっており、情報収集の重要性が増してきています。
弊社マーケティング・データ・バンク(MDB)にも関連資料は豊富に取り揃えていますので、もっと詳しく調べたい方や、有益な情報源を知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。MDBメンバー企業の方はすぐに調査相談を承ることも可能です。
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