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リチウムイオン電池の市場規模は?市場動向の調べ方を徹底解説!

充電して繰り返し使えるリチウムイオン電池。スマートフォンやノートパソコン、タブレット端末やウェアラブル端末などの電子機器向けの小型民生用のほか、近年はハイブリッドカーやEVカーなどの車載用、無停電電源装置(UPS)、携帯電話基地局(BTS)向けの電力貯蔵システム用など、ご存知のとおりさまざまな分野で用いられています。

今回は、ビジネスとして注目している方も多いこの「リチウムイオン電池」市場における、最新マーケット情報と、その収集方法について解説していきます!


目次[非表示]

  1. 1.リチウムイオン電池市場の現状
    1. 1.1.リチウムイオン電池の市場規模
    2. 1.2.リチウムイオン電池の市場動向
  2. 2.リチウムイオン電池の市場動向の調べ方は?
    1. 2.1.インターネット上のオープン情報から調べる
    2. 2.2.官公庁統計、業界団体情報から調べる
      1. 2.2.1.官公庁の情報源
      2. 2.2.2.業界団体
    3. 2.3.業界専門情報から調べる
      1. 2.3.1.専門業界誌・調査会社等
      2. 2.3.2.個別企業情報
    4. 2.4.市場調査会社に新たに調査を依頼する
  3. 3.リチウムイオン電池市場を知るためのおすすめ情報源3選
    1. 3.1.エネルギー・大型二次電池・材料の将来展望 2023 ESS・定置用蓄電池分野編 /富士経済
    2. 3.2.蓄電池産業最前線2023/産業タイムズ社
    3. 3.3.一般社団法人電池工業会 WEBサイト 
  4. 4.まとめ
  5. 5.関連記事のご紹介



リチウムイオン電池市場の現状

リチウムイオン電池の市場規模

まず、リチウムイオン電池がどれくらいの市場規模なのか確認してみました。

電池は経済産業省機械統計で、国内の生産量、販売金額が把握できます。リチウムイオン電池は、「車載用」、「その他」の2つのセグメントで取られており、2022年の販売金額は車載用が5,434億円、その他のセグメントが1,348億円とわかります。車載用は2012年より品目として新設されて以降、増加基調で推移しています。

出所)経済産業省機械統計 よりMDB作成 

リチウムイオン電池の市場動向

二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする脱炭素化の流れが世界中で加速していることを背景に、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の需要拡大が見込まれます。動力源となるリチウムイオン電池もこれに伴い生産能力増強の設備投資計画が進められています。また、リチウムイオン電池の高エネルギー密度化や高出力化の進展や、全固体電池などの次世代電池の研究開発も進んでいます。

リチウムイオン電池の有力メーカーは、日本、韓国、中国に集中しています。従来は日本企業の独断場でしたが、近年は韓国勢、中国勢が急激に追い上げてきており、グローバルでのシェア競争が激化しています。グローバルのトップ3は、中国のCATL、韓国のLG化学、日本のパナソニックがならんでいます。


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リチウムイオン電池の市場動向の調べ方は?

次に、リチウムイオン電池の市場動向や主要プレイヤー、今後の市場予測などのマーケット情報を、自分で収集する方法について解説します。

虫眼鏡

これらのマーケット情報を調べる方法としては、①インターネット上のオープン情報から調べる、②統計情報から調べる、③専門業界情報から調べる、④市場調査会社に新規調査を依頼する、の4つの方法が一般的です。

インターネット上のオープン情報から調べる

試しにGoogleのウェブブラウザで「リチウムイオン電池 市場規模」とキーワードで検索すると、50万件以上の検索結果が表示されます。これらを上位表示のWebページから辿っていくと、市場調査会社が発行しているリチウムイオン電池市場のプレスリリースや、各媒体のネット記事が確認でき、この情報からでも大きな流れはざっくりと掴むことは可能です。

官公庁統計、業界団体情報から調べる

より信頼できる情報源としては、第一に国の統計があげられます。その次に業界の企業が加盟している業界団体の情報があります。該当の統計があれば、そこで市場規模の情報が入手できます。

インターネット等で、電池やリチウムイオン電池、LiBなどのキーワードで業界団体や関連の官公庁サイトを探し、統計情報があるかを確認、その中にリチウムイオン電池の情報があるかを調べます。

官公庁の情報源

電池やリチウムイオン電池の情報は、経済産業省の生産動態統計で入手可能です。先ほども少し触れましたが、この統計の調査品目として電池が設定されており、鉛、アルカリ、リチウムイオンの種類別で市場規模が出ています。なお、リチウムイオン電池は車載用とその他で数量ベース、金額ベースのそれぞれで市場規模が取得可能です。

業界団体

業界団体は、一般社団法人電池工業会があります。団体のWEBサイトでは自主統計が公開されていて月別電池販売金額などの市場規模の情報が確認できます。この統計で出ている数値は、先ほどの機械統計より小さくなっています。これは団体加盟企業を対象に集計したもので、機械統計に比べて対象企業が少ないことが要因です。リチウムイオン電池は種類としては蓄電池や二次電池の部類に含まれます。工業会のウェブサイトには、電池についての説明やQ&Aがわかりやすくまとめられていますので、一度確認してみても良いでしょう。

また、2021年4月1日には車載用リチウムイオン電池の新団体「電池サプライチェーン協議会(BASC)」が設立され、業界内で新たな動きが活発になっています。


業界専門情報から調べる

専門業界誌・調査会社等

「電池 新聞」、「電池 雑誌」などで検索すると、専門業界紙誌のサイトがみつかりますので、そこでリチウムイオン電池や次世代電池など最新電池市場の情報を探すという方法もあります。リチウムイオン電池というキーワードでもよいですが、電池を含めた業界全体のキーワードで検索してみるのも調べ方のポイントになります。ヒットした月間機関紙「でんち」、電波新聞デジタルなどのサイトでも最新のニュース、規制動向のニュース等も読めますし、企業や大学研究機関の技術開発動向や市場予測の情報などもヒットしてくる場合もあります。

電池業界の市場調査レポートを発行している機関としては、富士経済やシーエムシー出版などの市場調査会社が電池をテーマにした企画レポートを定期的に発刊しています。また、ケミカル分野やエネルギー、電子機器を取り扱ったレポートでも電池のマーケット情報が入手できることもあります。価格相場は1冊数万円~数十万円するものまでさまざまですが、例えば、富士経済のレポートなどは電池産業全般を1冊に取りまとめていますので、購入を検討されてもよいかもしれません。具体的なおすすめ資料のタイトルは後半で紹介します。

個別企業情報

話題になっている企業や、業界のリーディングカンパニーのウェブサイトを確認すると、個別企業動向だけでなく、業界全体の最新動向や有益な情報を掴めることもあります。例えば、業界最大手のパナソニックは、有価証券報告書の中で、代表的な取り組みや現状の課題、抱えるリスク、投資動向などが開示されています。売上の増減要因の説明を見ることで市場環境の把握も可能です。

市場調査会社に新たに調査を依頼する

先に紹介した方法で期待する粒度の情報が入手できなかった場合、また情報が多すぎて取りまとめるのが難しい場合には、市場調査会社にアドホック調査を依頼するという選択肢もあります。公開情報を幅広く集めて、整理・分析するということに加え、有益な情報を保有する業界関係者・有識者等を探索し、インタビューを通してオリジナルな情報を収集し報告する形式をとっており、一般では取得が難しい情報にリーチできる可能性があります。


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リチウムイオン電池市場を知るためのおすすめ情報源3選

弊社が運営するマーケティング・データ・バンク(MDB)にも、リチウムイオン電池や全固体電池などの次世代電池の市場動向に関する調査相談をメンバー企業様から数多くいただいております。ここでは、弊社の情報コンサルタントが厳選した「電池市場」に関するおすすめ情報源を3つ紹介いたします。

エネルギー・大型二次電池・材料の将来展望 2023 ESS・定置用蓄電池分野編 /富士経済

株式会社富士経済が発刊している蓄電池関連市場をまとめた調査レポートです。住宅用、業務・産業用、系統用、ESS・定置用とそれぞれの蓄電池市場を対象とし、2040年までの長期市場予測を実施しています。2023年版では、注目される蓄電所ビジネス(系統用蓄電池)やリユース電池の将来動向等も特集しています。

また、同テーマで『電動自動車・車載電池分野編』もあり、こちらでは、2050年までの電動自動車市場および車載電池(駆動用・補機用)について、車種別、エリア別、メーカー別、二次電池種別(リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、次世代電池など)に市場動向が調査されています。


蓄電池産業最前線2023/産業タイムズ社

バッテリー(蓄電池)メーカーやバッテリー材料・資源メーカーの事業戦略や、製品情報、研究開発動向などがまとめられた1冊です。第1章では車載用リチウムイオン電池の現状、第2章~4章では各社の事業戦略や最新動向、第5章では次世代バッテリーについて大学などの研究開発動向がとりまとめられています。「電子デバイス新聞」を発行している株式会社産業タイムズ社が発行する書籍です。


一般社団法人電池工業会 WEBサイト 

https://www.baj.or.jp/

業界団体の公式ウェブサイトです。経済産業省機械統計、財務省貿易統計、電池工業会自主統計それぞれの月別の最新統計データが公開されており、定量データの定期チェックが当サイトで簡単にできます。


まとめ

今回は、リチウムイオン電池(LiB)の市場動向の調べ方について解説しました。弊社マーケティング・データ・バンク(MDB)にも関連資料は豊富に取り揃えていますので、もっと詳しく調べたい方や、有益な情報源を知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。MDBメンバー企業の方はすぐに調査をご相談いただくことも可能です。

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