産業用ロボットの市場規模は?市場動向の調べ方を徹底解説!
近年、世界的にも急成長している市場が「産業用ロボット」市場です。人口減少による労働力不足や技術伝承問題の解決、そして産業の自動化による安定生産と品質向上効果が成長の背景として挙げられます。また、技術革新とともにロボットの小型化や安全性が高まり、柵なしで人との共同作業を前提とした「協働ロボット」という新たな産業用ロボットが登場してきたことで、中小製造業の現場でもロボットの導入が広がったことも市場拡大の要因です。
今回は、そんな拡大を続ける産業用ロボットに関する最新マーケット情報とその収集方法について、解説していきます!
目次[非表示]
- 1.産業用ロボットの市場規模
- 2.産業用ロボットの市場動向の調べ方は?
- 2.1.インターネット上のオープン情報から調べる
- 2.2.統計情報を調べる
- 2.2.1.官公庁統計
- 2.2.2.業界団体ホームページは、各統計がまとめられた便利サイト!
- 2.3.業界専門情報から調べる
- 2.4.市場調査会社に新たに調査を依頼する
- 3.産業用ロボット市場を知るためのおすすめ情報源3選!
- 3.1.まずは押さえるべき基本情報 「2022 ロボット産業需給動向」
- 3.2.産業用ロボット市場の最新企業同動向を徹底特集 「ロボット産業最前線」
- 3.3.定期的な業界チェックにおすすめ 「2021年度 ロボット産業・技術振興に関する調査研究報告書」
- 4.まとめ
- 5.関連記事のご紹介
産業用ロボットの市場規模
まず、現状の産業用ロボット市場の状況がどのようになっているのか、生産数量ベースで調べてみました。
そもそも、産業用ロボットにはいくつかの種類が存在します。今回は、その中で「プレイバックロボット」と「数値制御ロボット」の統計データをご紹介いたします。
出所)生産動態統計 経済産業省 よりMDB作成
日本は、世界でも最も産業用ロボットが普及している国の一つであり、近年の自動車や電子機器などの製造業の需要の高まりにより、産業用ロボットの市場規模が拡大しております。
2019年、2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、経済が停滞化。産業用ロボットの生産数も落ちてしまいましたが、2021年は経済活動も再開され始め、製造業の動きも戻ってきたところで、コロナ流行前の水準かそれ以上に産業用ロボットの生産数も回復しています。
特に、「プレイバックロボット」と呼ばれる、人間が行った動作をロボットが再現するロボットの市場は、2021年度には過去最高値を記録しています。
※プレイバックロボット…人間が行った動作をロボットが再現するロボットのことです。プレイバックロボットは、人間の操作を記録し、再生することにより、自動化作業や製造ラインなどで使用されます。
※数値制御ロボット…コンピュータによる制御により、自動的に動作するロボットのことです。数値制御技術は、工作機械などの産業用機械で広く利用されており、ロボットにも同様の技術が応用されています。
▼マーケティング情報の収集テクニックは下記の資料でも解説しています。
産業用ロボットの市場動向の調べ方は?
次に、産業用ロボットの市場動向や主要プレイヤー情報、今後の市場予測情報を、自分で収集する場合にどんな方法があるのか?について解説します。
産業用ロボットのマーケット情報で重要な市場規模、企業シェア・予測等を調べる方法としては、①インターネット上のオープン情報から調べる、②統計情報から調べる、③専門業界情報から調べる、④市場調査会社に新規調査を依頼する、の4つの方法があります。
インターネット上のオープン情報から調べる
Googleなどのウェブブラウザで「産業用ロボット 市場規模」、「FAロボット 市場予測」などのキーワードで検索すると、多くの記事情報がヒットします。この記事情報を辿っていくと、市場調査レポートの発行元が発表しているプレスリリースや、国や業界団体、シンクタンクが発表している無料の調査報告書が見つかります。これらの情報を見ることで大きな潮流はどなたでも把握できると思います。
統計情報を調べる
信頼できる情報源としては、第一に国の統計があげられます。その次に業界の企業が加盟している業界団体の情報です。該当の統計があれば、そこで市場規模の情報が入手できます。
インターネット等で、産業用ロボットやFAなどキーワードで業界団体や関連の官公庁サイトを探し、統計情報があるかを確認、その中に情報があるかを調べます。
官公庁統計
産業用ロボットに関する統計ですと、経済産業省の「生産動態統計調査」があります。
統計内の「機械器具月報(その8)運搬機械及び産業用ロボット」という品目に、各産業用ロボットの生産数量、重量、金額が載っています。
生産動態統計調査は、経済産業省が毎月統計データを取っていますので、マンスリーの基礎データとして取っておくべき情報でしょう。
業界団体ホームページは、各統計がまとめられた便利サイト!
業界団体では、2章でお見せした市場規模グラフの出所基となる統計データを取っている「日本ロボット工業会(JARA)」があります。産業用ロボットに関する情報源の基本として、必ず見ておくべき団体でしょう。
また、これら日本ロボット工業会の中からFA(Factory Automation)のシステム構築を行うシステムインテグレーター(Sier)が集まってできた「FA・ロボットシステムインテグレータ協会」という団体も発足しており、よりシステム側の市場になりますが、産業用ロボットに関する最新情報を取得する情報源として、こちらもチェックしておくのが良いでしょう。
業界専門情報から調べる
雑誌・新聞情報
「産業用ロボット 新聞」、「産業用ロボット 雑誌」などで検索をし、出てくる業界専門誌のサイトなどから市場の情報を入手するという方法もあります。
産業用ロボットに関係する業界新聞としては、日刊工業新聞社の「日刊工業新聞」や、電波新聞社の「電波新聞」などがあります。
雑誌ではニュースダイジェスト社の「月刊生産財マーケティング」にて、よく産業用ロボットの市場動向などがまとめられています。
個別企業情報
話題になっている企業のサイトや、決算発表情報の内容を確認すると、有用な情報が記載されていることもあります。
産業用ロボット市場は、「4強」と呼ばれるメーカーが、その世界市場の対大部分を占有してしまっているといわれています。その「4強」の中に、「ファナック」と「安川電機」という2つの日本メーカーが入っていますので、日本において産業用ロボット市場に携わろうとする場合、最低限この日本メーカー2社の動向は必ず見ておかなければなりません。もちろん、その他4強の「ABB」や「KUKA」などの世界的メーカーの動向や発信物もチェックしておきましょう。
市場調査会社に新たに調査を依頼する
先にご紹介した方法で期待する情報にたどり着くことができなかった場合、また、情報量が多く、取りまとめることが難しい場合、市場調査会社に依頼をするという方法もあります。公開情報を幅広く集めて、整理・分析するということに加え、有益な情報を保有する業界関係者・有識者等を探索し、インタビューを通してオリジナルな情報を収集し報告する形式をとっており、より深い情報を取得したいといった場合に有効な手段になります。
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産業用ロボット市場を知るためのおすすめ情報源3選!
弊社が運営するマーケティング・データ・バンク(MDB)でも、メンバー企業様から産業用ロボット市場に関する調査相談を数多くいただいております。ここでは、弊社の情報コンサルタントが厳選した「産業用ロボット」に関するおすすめ情報源を3つご紹介します!
まずは押さえるべき基本情報 「2022 ロボット産業需給動向」
日本ロボット工業会 2022.8
日本ロボット工業会が毎年発刊している資料です。ロボットの年間受注・生産・出荷実績に関する「企業実態調査」を1976年から実施しており、産業用ロボットの全体像、構成内容を把握するうえでは欠かせない情報源です。
同協会のWEBサイトでは、無料版で一部同統計データを入手することができ、産業用ロボットの世界を学びたい際には、最初に見ておきたい情報源です。
産業用ロボット市場の最新企業同動向を徹底特集 「ロボット産業最前線」
産業タイムス社 2022.7
産業タイムス社が毎年発刊している資料です。日本のみならず海外の産業・サービス用ロボット関連企業の動向を詳細に解説しています。
600ページを超えるレポートで、産業用ロボット関連各企業の動向や、将来展望まで網羅的にまとめており、この1冊で産業用ロボットに関する様々な情報を収集することができるおすすめ情報源です。
定期的な業界チェックにおすすめ 「2021年度 ロボット産業・技術振興に関する調査研究報告書」
日本機械工業連合会 2022.3
http://www.jmf.or.jp/content/files/houkokusho/reiwa3nendo/report_rob2021n.pdf
2006年から経済産業省と共催して「ロボット大賞」を開催している日本機械工業連合会が、ものづくり分野からサービス分野などの動向を概観した上で、ロボットの技術動向や新たな産業分野でのロボットの活用についてまとめた報告書です。無料でダウンロードできて情報量も多いので、ぜひ上記リンクよりチェックしてみてください。
まとめ
今回は、産業用ロボットの市場動向の調べ方について解説しました。日本国内のみならず、世界的な需要が高まっている産業用ロボット。日本のトップメーカーは世界的にも大きいシェアを取っており、ますます関連市場も成長が期待されていますので、ぜひ今後もチェックしてみてください。
弊社マーケティング・データ・バンク(MDB)にも関連資料は豊富に取り揃えていますので、もっと詳しく調べたい方や、有益な情報源を知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。MDBメンバー企業の方はすぐに調査をご相談いただくことも可能です。
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